「眠りにつく前に」
眠りにつく前には、目をつぶる。
当たり前だ。目を開けたまま眠る人はいない。人間は、外部からの光や情報を遮断し、脳を休めるために、目をつぶって寝るのだそうだ。
ただこの当たり前が、動物界では必ずしもそうではない。
野生のうさぎは目を開けて眠る。近くに外敵がきた場合、いち早く見つけて逃げるためだ。
イルカは片目ずつつぶって眠るのだそうだが、これは哺乳類であるが故に、定期的に水上に呼吸をしに上がらなくてはならないためだ。片目をつぶって脳を半分休めながら、もう片方の目を開けて、泳いで水上まで行き、呼吸を行うのだ。もちろん両方の脳を休めるために、交互に目をつぶって眠っている。
現代人の辛いところは、眠るために目をつぶるのだが、目をつぶっても眠れるとは限らないことだ。その原因の多くはストレスと言われている。
できれば薬など服用しなくても、ぐっすり眠れる世の中になってほしいものだ。
「永遠に」
「不老不死」は、昭和の時代、「世界征服」と並んで、ヘンテコな仮面を被った悪の首領が望んだものだった。
ちょっと違うが、「銀河鉄道999」も、主人公が永遠に生きられる機械の体をタダでくれるという星に行く話だ。部品を交換し続ければ、永遠に生きられるということらしい。
ただこの不老不死。全くSFの世界だけの話ではなくなってきている。もちろん今すぐにという話ではないが、将来的には実現できる可能性があるらしいのだ。
先日「カズレーザーと学ぶ」という番組を観て、私はたいそう驚いた。
遺伝子技術による若返りの可能性。人間拡張工学によるデジタル不死。光免疫療法によるがん克服。医療技術は、SFの世界だったものを、現実のものにしつつあるのだ。
そのうち、見た目は25歳だけど実は300歳、みたいな世界になるかもしれない。適齢期という考え方もなくなるだう。500歳だけど20歳にナンパされましたみたいな話もあり得るわけだ。
この「カズレーザーと学ぶ」はおもしろかったので、毎回観ようと思う。ご興味のある方はぜひ。見逃し配信は TVer で!
「懐かしく思うこと」
「ダ・ヴィンチ・コード」という小説をご存知でしょうか?
ハーバード大学の象徴学者が活躍するサスペンスもので、トム・ハンクス主演で映画にもなったベストセラーだ。モナリザが表紙に描かれており、書店で見たことがあるという方も多いと思う。
もう何年も前に読んだ小説で、よくストーリーも覚えていなかったこともあり、最近暇にまかせて読み直していた。
ある日、読書中の私に娘が言った。
「あっ、その表紙に描いてある絵の作者、知ってるで。美術の時間に習ったもん。」
「へえ、誰よ?」
「ドナルド・ダビンチやろ?」
違う。
君の頭は、ディズニーか?
そう言えば、昔から娘は、言葉をよく間違えて覚えていた。「テレビ」は「テベリ」だったし、「柿ピー」は「カピキー」だった。「レオナルド」が「ドナルド」か。惜しいではないか。
そんな昔のことを思い出して、少し懐かしく思ったのだった。
「もう一つの物語」
「熱闘甲子園」という番組が、毎年夏に放送される。
その名の通り、その日甲子園で行われた手に汗握る高校野球の試合を、ダイジェストで見せてくれるのだ。
でも私は、この番組の作り方に少し不満を抱いている。
1-2回戦あたりだと1日4試合。その全試合をダイジェストで放送するのだが、私が不満に思うのは、その攻防の合間に、ドキュメンタリー風のストーリーが語られることだ。
病気で出場出来なかったチームメイト。小学校から同じチームで甲子園を目指し、夢を叶えたバッテリーなど。皆それぞれの思いを胸に、ここ甲子園で戦っているのだ。頑張れと応援せずにはいられない。
ただ残念なことに、その感動の物語は、勝者側の話がほとんどだ。惜しくも敗退してしまった高校の物語はなく、とって付けたように、宿舎で涙を流しながら監督の話を聞くシーンとか、「来年また来ます」と抱負を語る選手のインタビューが数分流れるだけだ。
プロ野球ならそれも分かる。勝てば何度も決勝打のリプレイが流れ、ヒーローインタビューもある。CSで負けてしまった阪神は、矢野監督のコメントしかない。プロはそれほど厳しいのだ。
だが高校野球は違う。敗者にも仲間と共にここまで勝ち上がってきた物語があり、それは勝者の物語と比較しても、優劣をつけれるのもではないはずだ。
ドキュメンタリー風に語るのであれば、勝者敗者を同じように扱って欲しい。放送時間の関係で両方できないのであれば、試合の内容を公平にダイジェストで流し、最後に古田敦也が、「勝敗を分けたポイント」とかをコメントするだけにすればいい。
来年も「熱闘甲子園」を観ると思う。その時は勝者敗退とも、平等に扱われることを切に願っている。
「暗がりの中で」
我が家では、小学校4年生まで、就寝時間が21時と決まっていた。夜は家族そろって、居間でテレビを見ていた時代の話である。
その時間になると、子供は部屋に追い返され、電気を消されて強制的に寝るしかない状況にさせられる。そんな暗い部屋で、私が密かに楽しんでいたのが、ラジオの深夜放送である。
関西以外の方には分からないかもしれないが、当時関西の深夜放送で人気だったのが、「MBSヤングタウン」という番組で、嘉門達夫や原田伸郎の話を、布団の中で笑いを噛み殺して聞いていたものだ。
ただ番組を最後まで聴く体力がないので、ラジオをつけたまま途中で寝落ちしてしまい、朝起きたら名前も知らないおじさんの、名前も知らない番組が流れてるのが常だった。
YoutubeもNetflixもアマプラもない時代。
たまにはラジオもいいかもね。