つまんないと
ぶらぶら足が宙を泳ぐ
その様子を
ただ眺めるしかなかった
テーブルには
半分くらいの水が入ったコップ
それが
四つ
それと
作りかけのクッキー
足が止まれば
日常は始まるのだろうか
当たり前の均衡が
あまりにも分かりにくく
インターホンでも鳴れば
終わる様なモノだと
如実に告げるのは
割れた液晶画面だった
例えば
有名人のように
毎日、世界から注目される様な
人生を送りたいわけじゃない
例えば
宇宙飛行士のように
未知なる世界を行く様な
人生を送りたいわけじゃない
例えば
猫のように
常に自由で縛られない様な
猫生?を送りたいわけじゃない
確かに
なろうと思えば成れるのが
人生の良さの一つなのかもしれない
ただそれが
自分に当てはまる良さかは
一考が必要だ
ハッピーエンドが
第三者視点で良いというなら
皆がハッピーエンドなのだろうから
言葉にするには
まだ足りない
でも、言うほど
分からないわけじゃない
そんな理想像に縋って
ありもない事を夢想
私のそれを表すなら
白紙の自己評価シート
今もまだ
白紙のまま
チャッピーにでも
聞いてみるか
そんな言葉が飛び交う
家、教室、職場、社会
そして
ないものねだり
行き着く先は
そこだと分かっているから
泣いているんじゃないか
しょっぱい涙を拭きもせず
見届けているんじゃないか
たらればを繰り返した先に
何かあるとは思えない
そう言ったって
期待しないわけにもいかない
そして
配られた運命は
変えられない
私は此処からあの場所へは
帰れないのだ
ずっと
考えていたことがあったんだ
ぼんやりと
車窓を見る彼女
高速道路のトンネルは
光が霧散して
いつかの景色みたいだった
隣に座る彼女の手は
微かに震えている
もう
やり直せもしないんだって
その言葉に反論しようとした
瞬間
トンネルを抜け
外の景色が見える
バケツをひっくり返したような
大雨が降ってきた
トンネル入り口までは
曇空だったはずだ
反論するはずだった口は
空気だけを吐き
静かに閉じてしまった
さようならも
言いそびれちゃった
苦笑いする彼女は
雨に打たれる人なのだろう