ずっと
考えていたことがあったんだ
ぼんやりと
車窓を見る彼女
高速道路のトンネルは
光が霧散して
いつかの景色みたいだった
隣に座る彼女の手は
微かに震えている
もう
やり直せもしないんだって
その言葉に反論しようとした
瞬間
トンネルを抜け
外の景色が見える
バケツをひっくり返したような
大雨が降ってきた
トンネル入り口までは
曇空だったはずだ
反論するはずだった口は
空気だけを吐き
静かに閉じてしまった
さようならも
言いそびれちゃった
苦笑いする彼女は
雨に打たれる人なのだろう
3/24/2026, 10:56:06 AM