人間未満

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6/11/2025, 10:13:07 AM

悲しさは
何処まで行っても
ただ
流れていくのみだった

終わりの果ては無くて
つまらないだけだった

期待は毒だった
夢は病だった

雨の音だけが
聞こえる部屋で

明るいあの声を
夢想してみた

ただ
虚しく包まれるだけだった

自分は無力だった

6/7/2025, 10:25:22 AM

その目がかなり気に入らない 
その仕草がだいぶ嫌い

だけど
愛してない訳じゃない

分かってないのは
貴女の子供な心

つまらないのは
私の歪な感傷

どうか
貴女だけはそのままで

止まったような
その姿と心のままで

6/5/2025, 11:29:50 AM

何かを通して見た

それは目で見るのとは
少し違って

終わる儚さが
より克明だった

何処か遠い
そんなそれが

今はちょっぴり
近く見えた

6/3/2025, 10:09:53 AM

約束だよ

どうでもいいって、
諦めてたのかも

久しぶりのそれは
酷く現実味がなかったから

指と指が絡まって
離れていく様は

寂しさは
誤魔化しようがなく

言葉はとても
簡素に見えたから

6/2/2025, 12:01:10 PM

ある大雨の日のことだった
その日は前日の晩から
バケツをひっくり返す様な
記録的な大雨が降った

そのくせに 
大雨警報は出ず
その少女は意味のない
傘を持って道を進む

周りには少女の他に
誰もいない

それは当然のことであった
少女は知らないが
少女が向かう学校は
休校になっていたのだ

それを知らない少女は
一人寂しそうに
歩いている

その僅か数分後
パチャパチャと雨を弾く音がして
少女が姉と慕う
少女より二つ年上の女性が来た

今日は学校休みだから帰ろう
そう言って
少女の手を握った

少女のその顔は
傘で隠れていた

雨は次第に激しくなり
二人は走って帰路に着いた




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