暇人 

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11/18/2024, 11:41:26 AM

大は小を兼ねる
と言いますし

想い出は
多い方がいいのでしょう

亡くなった祖母達に宛てるなら
想い出話は、多い方がいいですからね

思い出と想い出は
たくさんありますが

一番の話を
特別に話します

私が
異世界に行った時の話です

…本当の異世界の話ではありませんよ

そんな風な場所に行った話って事です



辺りは一面の地獄でした

私は、
一心不乱になって何かから逃げていました

暗い暗い路地裏
ふと懐かしく感じる様な場所でした

路地裏の隅で
私は座って休みました

なにせ
数時間も何かから逃げていたんです

とうの昔に
体力は限界を超えていました

ネオンの明かりが
チラチラと
向こうの通りから見えました

其処に逃げたのなら
助かったのかもしれません

たすかりたい
くるしみが
さってほしい
ん?なにかきてる?

のぼるあかりは

おかしいほど
もえていて
いたいほど
でんきをはっしていた



……これが

私の人生最期の想い出です



天使は
面白くなさそうに
私の話を聞いていた




11/17/2024, 10:33:04 AM

冬になったら
何しよう

こたつに入って
みかんを食べたい

アニメを全部
一気見したい

クリスマスプレゼントは
マフラーを送りたい

冬の名曲
カラオケで歌いたい

おせちは
入れたいのだけ入れたい

雪を集めて
雪兎を作りたい

今年こそ
新年のイベントに行きたい



神社に溢れる
笑顔の人達

家族だったり
友達だったり
皆、楽しそうだ

お正月の願い事、決めた!

あの中の、
笑っている人の一人になれますように




11/16/2024, 10:38:21 AM

「ずっと、一緒に居ようね」

そんな言葉が嘘なのは
遠い昔から知ってた

分かっていた筈なのにな



貴女と出会ったのは
学校のグループ決めだった

「グループに入ってもいい?」

そういえば
出会った頃から

貴女は不思議な人だった

誰も貴女に嘘はつけないし
拒めなかった

まるで決まっていたかの様に
貴女は、グループに入ってきた

私達の関係が変わったのも
そこからだ

私は狂信者でも
盲信者でも
なんでもなかった

ただ
人を嫌っていただけ

だからこそ
貴女は毒だった

貴女が言えば
神は居るし
世界は終わるんだ

そんな気がした



だから

「私ね。○○君と結婚するの」

信じられなかった

周りは単純だったから
皆、口々におめでとうと言った

私は、
黙って彼女を見ていた

彼女は、
私達には見せた事のない
美しい笑顔をしていた

神が地に落ちたのだ

狂った狂信者達の末路が
今なら分かる

こんなの神じゃない

こんなの

私が知っている彼女じゃない

披露宴で
笑った彼女を見て

LINEで
妊娠報告をする彼女を見て

カフェで
子供を連れた彼女を見て



なんか違う

狂った心が嘲笑った











11/15/2024, 10:37:21 AM

子猫

赤ちゃんと猫は
似ているらしい

どちらも
愛される為の造形をしているとか

幼児図式と言って
育児、保護の行動を促すらしい

猫って不思議



猫はニャーと
鳴いているが

実は、
「ニャー」と鳴くのは
赤ちゃんの泣き声を
真似したかららしい

つまりは
「ニャー」は「オギャー」と似た意味
成猫になっても
子猫の様に鳴けるのか

猫って凄い



人間は
大人になると
良し悪しが出るのに

猫は永遠に
子供の侭なんだな

だから
ママに好かれるのか








11/14/2024, 11:29:28 AM

秋風(しゅうふう)

君を季節に例えるなら
間違いなく秋だ

小春日和の暖かい日に
君を見て思った

………

 初めは冬だった

君は、冷たい目をしていて
私を見てはくれなかった

氷のような
ガラスの瞳が

陰では、いつも結露していた

 次は夏だった

君は情熱的な人だった
夢を追いかけて

全ての力を使っていた
文字通り、全身全霊で

君の髪の毛の一つからも
強い熱波を感じた

 それから、春だった

君はそよ風だった

蝶を羽ばたかせ
子供の背を押した

君は朝日を見て
幸せそうに笑っていた

私にとって、暖かい存在だった

 いつかの秋の日

君が笑って

誰かに手を振った

秋風が吹いて

寒くなった

秋風(あきかぜ)



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