そう言えば
進路書類の提出期日
まだだっけ?
自分の道を決めるには
子供の知識と経験じゃ
まるで当てにならない
かと言って
大人を当てにしても
一人一人
違う人生なんだから
アドバイスが噛み合う訳もなく
たかだか
二十ちょい少ない人生しか歩いていない
そんな子供に
これからの人生を決めさせるなんて
そんな無意味なこともない
なんて…
苦しくなったのも一瞬
夢の持ち方は
誰も教えてくれない
人生の正しい道は
普通という言葉に縛られている
正常な思考は
あるべき時に無い
あまりにも
悲しい話だ
だけど
それでも
その中に
数パーセントの正解を
導き出す人が居るんだ
…私だといいな
あなたとわたし
あなたとわたしの
違うところ
まず
周りの人。
子供の頃の周りの人って
なんだか凄く大人に見えない?
次に
環境。
人も生き物だからね
環境が悪いと悪くなってしまう
それから
夢。
一番アバウトで
一番重要
おまけで
才能。
あっても無くても
わたしの人生には…ね
色々言ったけど、違ったからって
あなたとわたしに何があるか
わたしにもあなたにも
分からないしね
なんの意味もないよ
しとしと
ついさっきから降り始めた雨
秋雨前線の影響だとかなんとか
ニュースキャスターが言っていたなぁ
傘をさして、
いつもの通りを歩く
雨が降ると、
同じ景色なのに
違うように感じる
声は無く
雨の音だけが聞こえる
目当ての店に入れば
しっとりとしたジャズが聞こえた
…喫茶店に入るのは
決まって雨の降った日だ
雨とコーヒーとジャズ
と、ふと聞こえた声
懐かしい思い出を
見つけた気がした
喫茶店で友達と話す
少女とも女性とも言い難い子
昔の私の様な子
彼女の様子は
昔の私と違って
満ち足りている様で…
雨だけが、柔らかく
私を許してくれる
帰りに傘はさせなそうだ
…雨に打たれて帰りたい
無性に苦しかった
何で私が
何で私が
ずっーと
思ってきた
あなたも、あなたも
私を救おうとする言葉で
いつも私を傷つけた
あなたも、あなたも
私を誘う言葉で
いつも私の世界を地獄にした
うるさい
そんな言葉を言えたら良かった
良かったなぁ…
受け入れられない事も
きっと、今なら…
大丈夫
心の中でつぶやく
笑って言える
「おめでとう」
笑えてる
苦しくない
花嫁から受け取ったブーケだけが
私をこの地獄に引き留める
一筋の光のような物
「おめでとう」
花嫁が言ってくれる
「ありがとう」
笑って返す
大丈夫
大丈夫
光はまだ此処にある
哀愁を誘う
『誘う』
ってなんだろう
いざなう
さそう
さそうには、
いっしょに行くようにすすめる
そそのかす
うながす
という意味があるっぽい
で、『哀愁』は
寂しくもの悲しい気持ち
………
何故わざわざ調べたか
いや、いつも調べているけど!
哀愁漂う姿とか言われたって
イメージが湧かない
分からない
ぱっと思いついたのは
肉じゃがの匂いだったから
お腹すいちゃって…