ひとりきりで、なんとかやり過ごしている。
気をつけないと心を侵す泥に負けそうである。だから好きなものを見る。一旦逃げる。
けれども泥はしつこくやってくる。過去への後悔。今への悔しさ。未来への不安。
それらすべてを背負って、今できることを必死に考えるしかない。
ばかみたいに腹が立つことも、悲しいことも、後悔も、すべて俺が有効に使ってやるから、覚悟しておけ。
雨と君
君は本当に、私にとっての雨宿りの場所となっている。
Secret love
つまりは内密的に愛し合っていることであろうか。
顔にも声にも態度にも感情が投影されてしまうような自分には、存外難しいことである。
けれども、君の柔らかな笑顔を独占できるなら、Secret loveでもいいか。
と、一人思う今日この頃である。
8月31日、午後5時。
とっくに夏休みなんて終わってるけれども、長年染み付いた心の癖が抜けない。
時計の日付を見るたびに、「ああ、今日で夏休みも終わりか。」と思ってしまうのだ。
不安と満足感と後悔と期待と。
様々な感情が溶け合う。
大人になったとしても、きっと8月31日には夏休みの終わりを感じるのだと思う。
地平線まで続く大広間のようなところに、均等に柱が並べられている。ギリシャの神殿を彷彿とさせる柱だ。
そしてどこからか光が差し込んでいる。柱の影もはっきりしないような、弱い、光だ。
なにかに怯えているから不明瞭な光なのか。それともかすれた力で精一杯光っているのか。それは分からない。
柱の間には、たまにカーテンのような薄い布がかかっている。
カーテンだけではない。ピアノがあったり、描き途中の絵と画材が散漫に広がっていたり、シロツメクサが生えていたり。それらは無限に続く柱の間に、不規則に出現する。
扉が見つかることもある。試しに一つ開けてみると、七段ほどの下り階段の下に水が張っていた。それは満天の星が映る湖だった。
しまった。長すぎてしまった。楽しくて止まらなくなってしまったのだ。
お察しの通り。
これは私の心の中の風景の、理想という名の妄想である。