地平線まで続く大広間のようなところに、均等に柱が並べられている。ギリシャの神殿を彷彿とさせる柱だ。
そしてどこからか光が差し込んでいる。柱の影もはっきりしないような、弱い、光だ。
なにかに怯えているから不明瞭な光なのか。それともかすれた力で精一杯光っているのか。それは分からない。
柱の間には、たまにカーテンのような薄い布がかかっている。
カーテンだけではない。ピアノがあったり、描き途中の絵と画材が散漫に広がっていたり、シロツメクサが生えていたり。それらは無限に続く柱の間に、不規則に出現する。
扉が見つかることもある。試しに一つ開けてみると、七段ほどの下り階段の下に水が張っていた。それは満天の星が映る湖だった。
しまった。長すぎてしまった。楽しくて止まらなくなってしまったのだ。
お察しの通り。
これは私の心の中の風景の、理想という名の妄想である。
8/29/2025, 11:54:50 AM