風鈴の音
軒下に揺れては
眠れる思いを揺れ動かす
優しく懐かしい音色
目を閉じてまた
あの頃を思い出してしまう
私がワタシでいられたあの頃
私がワタシを好きでいられた
背中越しに伝わる熱にいつも
励まされ支えられた
月日馬やがて人を癒し
忘れさせるというけれど
この狂おしい音色は
いつまで経っても
今の私を責めるように笑うように
語りかけてくるんだ
心だけ、逃避行
寂しがりを隠して笑う
そんな私に安心しないで…
あなたの背中をいつも
笑顔で見送ってるわけじゃない
時にはあなたから逃げ出したくなる
そんな日もある
ズルいあなたなんて捨てちまいな…と
ホントの私が囁くから
でも最後は必ず私のとこに帰ってくる
捨て猫みたいな目をしたあなたを
たぶんまだ諦められずにいるワタシ
逃げたいのに 忘れてしまいたいのに
見えなくなる背中に
言葉のナイフ投げつけ心だけ
流れる雲に寄せてく
冒険
一人の僕は
一冊の本のの中で旅をした
ひとりは寂しいけれど
自由だった
でも現実の世界は少し息苦しくて
心が見えない鎖に繋がれてる
そんな気がしてた
だから本の中では
主人公と物語の中で生き
生きることを冒険した
何度も何度も読み返す
現実に縛られ心が折れそうな時
たった一冊のその本は
その時々にまた新しい知恵をくれる
心が澱みかけたらまた
ひとり冒険に出ようか
生きることは常に気づきを探すことだから
届いて
聞こえてますか
見えていますか
あなたの心に
気付いてくれましたか
季節の変わったことに
光のいろが移ろってきたことを
何故かいつも遠い目をしているあなたへ
あなたの目の前には
まだまだ優しい世界が広がっている
それを伝えたくて
毎日毎日 言葉をつくすの
気がついて欲しくて
私がここにいることを
あの日の景色
忘れたいのに
忘れられない
忘れたくないのに
薄れてゆく記憶の中の景色
あなたはいつのまにか
私の中の景色に溶けてゆく
鮮やかに愛おしく
額縁のないキャンバスの世界で