#通り雨
みんな空なんて見上げもしないで
駆け抜けてゆく
足元を濡らすよ
捨てきれない悔しさを
洗い流してくれないか
堪えきれない涙を隠してくれないか
今なら誰も気づかない
今ならほんのひとときの
孤独の世界の中で
素直な自分を出せる気がして
通り雨
ひとりぼっちは嫌いじゃないんだ
#秋🍁
空高く
燃ゆる秋
黄金色の光の波に揺られ
クラクラと目眩がするほどに
鮮やかな彩りに満たされて
やがて風に舞いながら
白い季節を呼び寄せる
どちらつかずの短い時間の中で
浮かれていた私をまた試すのね
一歩先を少しだけ見て進めと…
自分を見失なうなと。
心を揺らす秋
やがて来る白い世界にも
温もりを忘れないように思いを
温めて優しさを抱きしめて
#窓から見える景色
額縁の外に
広がる世界は
色を変え時と共に移り変わる
そこには何ひとつ
同じものはない
そこに置き去りにしたものは
心だけで
やがて消えて記憶の中に
思い出として残るだけで
窓を隔てた外の世界から
私はどう映っているのかしら
外から見える私はどう変わっているのだろう
今は秋 儚さと鮮やかさの中で
ふと感じる寂しさに
窓の向こうにキミを思うのは
いつまでも消えない
愛しさの中の景色
#形の無いもの
大切なものってなんだ?
忘れてしまうけど
無くならないものってなんだ?
わたしがホントに望むもの
わたしがあなたにあげられる
究極のもの
それは全て形のないもの
目には見えないけれど
大切なもの
あれも欲しい…
これも欲しいなんて我儘いうけど
結局欲しいのは
結局あげられるものは
真心なんだ
#ジャングルジム
空が高い夕暮れ時
いつもこの場所から
街灯りが灯るのを待っていた
足音が聞こえてくる気がして
優しい眼差しが帰ってくる
そんな気がして
耳をすましても聞こえてこない
いくら呼んでも返らない
あの日手を振りながら
小さく消えていった背中は
アスファルトの森にのみこまれていった
小さな私をここにのこして…
もうのぼることもないジャングルジム
茜色に染まりながら
幼い影を映してみせる
帰らないヒトを思い出の中に
閉じ込めて