#始まりはいつも
スプーンひと匙の
優しさが
心の奥底に広がって…
いつのまにか
知らない自分に出会っていた
好きで始まるストーリーより
嫌いで始まるストーリーに
いつも惹かれてしまうのは
心がいつも寂しかったから…
満たされるのが怖くって
失うことばかり数えてしまう
そんなワタシを
明日はいつも新しい始まりと
憎らしいほどの笑顔で
背中を押すんだ
#すれ違い
ボタンのかけ違い
噛み合わない言葉
喧嘩にさえならない無言劇
埋まらない溝
立ち位置が変わった…
優しさを伝える術を忘れてしまった
好きの記憶が削れてゆく
背中合わせの未来
振り向いて向かい合った時
二人は歩きたした
少しだけ微笑んで
すれ違い
そして前だけを見据え涙あふれた
好きだけじゃどうにもならないことがある
またいつか逢おうね
あなたの横顔に
心の中でキスをした
#秋晴れ
二人の間を吹き抜ける風は
少しだけ心を掻き乱し
高く澄み渡る空へ流れてゆく
口に出せない思い
言葉にならない感情
手を伸ばせば
その手はすぐ隣にあるのに
繋げなくて…
鮮やかに彩りを変えた景色の中に
届けたい言葉を拾い集め
そっと呟く秋空の下
人は誰も読み人知らず
#忘れたくても忘れられない
あの街はどうなってますか…
だいぶ様変わりしたでしょうか
あの街は私の故郷だけど
しばらくご無沙汰しています
あの店はまだやっていますか…
あなたと良く海を見た丘の上のカフェ
今でもあの夕暮れの景色
覚えてる
そしてあなたの笑顔も
もう帰ることもない場所
あなたもわたしも思い出が
シルエットになってあそこに座ってる
好きだけじゃどうにもならなかった恋
あなたは大人で私は子供過ぎた
それでも本当に大切な人だったから
サヨナラしたの
あなたがいた
私がいたあの煌めいてた場所
歩けない 帰れない
キモチが溢れそうで…
笑ってよ 叱ってよ
夢の中だけでもういいから
#やわらかな光
焼けつくような夏を抜けて
黄金色の秋の陽射しが
自然の彩りを染め替えてゆく
微かに白い季節が近づく
気配がする
頬を冷やす風
人は何故か足早になる
人混みの中で色を失い
言葉を失くして
置いてけぼりになった私を
涙で行先が見えなくなってしまった私に
あの日 包み込むように
私の周り(世界)の色が変わった
穏やかで愛おしいと思えるほどに…
あなたの心地よい言葉に照らされて
また私は前を向いて歩いていける