5/10/2024, 3:40:11 PM
『モンシロチョウ』
うららかな天気に誘われて、庭先で戯れる白いちょうちょ。
「あーっ、チョーチョ!」
キャッキャとはしゃぐ無邪気な子どもの声。
「チョーチョ、まってぇ…。」
パタパタと羽を動かして、追い掛ける小さな手を躱しながら、チューリップからビオラ、カキツバタの周りを飛び回る。
「蝶々さんに、バイバイしよっか。」
少しだけ距離を置いて、無邪気な子供を観察するかの様に、空中でホバリングする白いちょうちょ。
「ぅん。チョーチョさん、バイバイ!」
手を振る子供を確認して満足したのか、白いちょうちょは空へ帰っていった。
5/9/2024, 11:51:02 AM
忘れられない、いつまでも
5/7/2024, 2:52:59 PM
「初恋の日」
とても美しい横顔と精悍な体躯。
その美しさに息を呑んだのを鮮明に覚えている。
その体躯で、私の体を受け止めてくれたあなた。
いつだって穏やかな表情で、黙って私を見つめていた黒曜の瞳。
唐突に訪れた私を無碍にするでもなく、特別扱いするでもなく、じっと見守ってくれていた。
日頃のお礼と大好きな気持ちをあなたに伝えたくて、あなたが好きそうなモノを持って行ったのだけれど。
まだ幼かった私は、ソレがあなたの身体には毒になるとは知らなくて…。
きちんとしたお礼も謝罪も出来ないまま、時間だけが過ぎて行ってしまった。
ひどく雷が鳴って嵐のような夜があった。
その日は、一向に眠れなくて胸騒ぎがした。
そして、雷鳴轟く嵐のその夜、あなたは家族に見守られながら、たった独りで虹の橋のむこうへと旅立って行った。
大好きなあなたに、たくさんの感謝を。
あなたがきっと、私の初恋。