私の知る誰よりも努力を重ね、
親とも先生とも必死に話し合い、
苦しみながら受験勉強を続けていた君。
見た目も性格も勉強も、「理想的」だった君に
私は幾度となく嫉妬を重ねてきた。
志望校を決めた時、
私の第一志望校は君の滑り止めで、
これから先、君の隣に立っていられるのか、どうしようもなく不安になったのを覚えている。
難関大学を受験した君は、
ずっとずっと苦しみ抜いて、それでも必死に努力して
私の隣で、前向きに頑張り続けていた。
だからね、
私は、こんな結果は認めない。
私の努力より、君の努力は輝いていたから。
誰の努力よりも輝いていたから。
君の努力は、第一志望校に合格できるくらいのものだってこと、私はその事実だけは絶対ぜったい譲らない。
私の夢が叶うより、
君の夢が叶うべきだよ。
ねぇ、こんなの理不尽だよ。不条理以外の何物でもないよ。
それでも、君は笑っている。
「数字しか見てくれないものだからね」って、
それくらい私だってわかってるよ。
夢が叶わなくても笑ってる君の隣で、
夢が叶った私が泣いているのはきっと違うから
不条理は不条理のまま、受け入れるしかないのね。
あなたの方が辛いのは分かっているから、泣かないよ。
泣いたら怒られるから、泣かないよ。
私の弱さを認めたくないから、泣かない。
迷惑かけなくないから、泣かない。
あなたに涙を見せたくないから、泣かない。
こういうのの繰り返しで、いつしか
「泣かない」が「泣けない」になるんだと思う。
泣かないあなたを愛しているけれど、
泣かない強さが、泣けない弱さになる前に
誰かの為の「優しさ」で隠すのは辞めてみて欲しい。
嫌なら私に見せなくたっていい、
あなたの信頼できる何者かに、あるいは自分だけに、
泣かないをやめてみてくれませんか。
私の大好きな友達は、大人っぽくて気遣い上手で周りがよく見える、面倒見の良い子だ。
でも、私は知ってる。
あの子は本当は怖がりだってこと、誰かに離れていかれるのを恐れていること、その繊細さ故に気を遣いすぎていること、どうしようもなく傷つきやすいこと。
そんな細やかな感性が、人付き合いに対する真面目さが、私の大好きなあの子を形作っている。
怖がらなくても、貴女がその気遣いを忘れても、献身的に尽くそうとしなくても、私は離れていったりしないし、嫌いになんてならないよ。
ずっとずっと努力し続ける貴女が大好きだけど、頑張り続けて疲れていくのを見ているのは少し苦しいから。
どんな貴女でも、辛くて苦しくてどうしようもなかった私の隣にいてくれた貴女に変わりは無いから、私も隣に立っているから、怖がらなくても大丈夫。