『ここにある』
もう人生いいかなって、生きるのを諦めそうになることがある。
けどそういう時には、これまで自分に関わってきてくれた人たちの顔が浮かぶ。その人たちのおかげで今の自分がいる。
今確かにここにあるのは、先祖と親から受け継いだ体。
腕に透けて見える血管に流れるのは、連綿と繋がれてきた血。手を握りしめると感じるのは命の温度。
生きてるんだな、自分。
そう確かめられたら、簡単には捨てられないよ。
『見知らぬ街』
地元とかいつもの場所はもちろん安心感があるけど、知らない場所への好奇心はいくつになっても消えない。
どんな建物が並んでいるのか、どんな人が歩いているのか、匂いや騒がしさはどうか、道端のゴミはちゃんと掃除されているのか…
昔から旅行が好きで、その旅先では地下鉄にはあんまり乗りたくない。せっかくの景色が見えなくなるから。地下に潜るんじゃなくて、時間はかかっても街を歩いて景色を見たい。
この先にどんな景色が待ってるんだろうというわくわく感と、ちゃんと地に足つけられてない浮遊感。
いつもの場所では味わえないこの特別な感覚が醍醐味。それが心の栄養となり潤いとなり、活力にもなっていく。
だから自分のために、時々は旅に出よう。
遠くじゃなくても。日帰りでも。
次に縁ができる場所はどこかな。
『Midnight Blue』
夜空なんだけど真っ暗じゃなくて、ブルーというだけあって青色。その色合いは深く深く、見ているとなぜか吸い込まれそうになる。
たくさんある青の中でも一番心惹かれる、好きな色。
その深い色の向こうには無数の星があってね、そう思うと壮大なロマンを感じるというか。自分って小さいなと思えたり。
ちょうど今持ってる日記が全体的に夜空柄で、この色のページもある。開く度に私を癒やしてくれてます。
『タイミング』
”縁のあるものとは不思議とタイミングが合う“と言うけれど、今まさにそれを実感してます。
合わせようとこちらが頑張らなくても、なぜか自然と合ってしまう。そうなるべくしてなったような、前々から仕組まれてたかのような感じ。
その出来事の中身にしても起こった回数にしても、偶然にしては出来過ぎで、そんな人間の単純な思考よりも遥かに高い次元で操作されてる気がしてます。
考えれば考えるほどに不思議。
自分以外にも複数の要素が絡んでいて、その全ての思惑や巡り合わせがバチッとはまって初めて起こる奇跡。そう、奇跡だこれは。
人智の及ばないことってあるんだな。自分の身にも起こるんだな。
今はこのタイミングと縁に感謝しつつ、不思議な感覚にどっぷり浸っていようと思う。きっとまだ終わらないと思うから。
『青い風』
2025年7月1日。
この日をもって、今の会社に転職して丸12年が経った。
ひと巡り。まさかこんなに続くとは。転職するからにはある程度続けようとは当時思ってたと思うけど、にしても12年て。
10年経った頃にも感慨に浸ってたような記憶はあるけど、12年のほうが重みを感じるというか、年齢でもひと回り違うとか言うし干支も12種類だし。一年も12ヶ月だなそういえば。
転職魔だった私が一つの職場に腰を据えて、気づけばこんなに長い年月続いてて。自分が確かに辿ってきた軌跡なのに、実感がなくてまるで信じられない。
時が経つのが早いことを“あっという間”と言うけれど、本当にそんな感じ。さっと吹き抜けた風のように一瞬に思える。12年って重いと言いながら、一瞬だったと思うとなんかあっけないな。人生ってそんなもんなのか。
初出勤の日のことは今でも鮮明に覚えてる。その前日まで前の職場で働いてたことも。その時の上司に「辞めます」と告げた日のことも。
一瞬だったとはいえ、長年働いてきただけにいろんなことがあった。本気で辞めようと思ったことも何度もある。それでも続けていられてるってことは本気じゃなかったってことか。本気だと思ってただけで。
コロナ禍あり、会社の経営方針や自分の働き方の変遷あり、そして人の入れ替わりもたくさんあった。何人見送ってきたのかな。
今では一瞬に思えるその風は、そよ風になったり暴風になったり、表情を目まぐるしく変えて私を取り巻いてきた。青色だったらいいなぁと思う。半透明に近い青のイメージ。白交じりの。無理やりにでも爽やかな風だったということにしておこう。
風になって吹き抜けてきた自分。
偉いし立派だし、よく今生きてるなと思う。生きてて良かったなと思う。
今日私は誰よりも称えられていいから、大きな労いと少しのお祝いを兼ねて、自分を甘やかす日と決めたんだ。誕生日がもう一度来たような気がしてる。今現在の私が生まれた日だから、ある意味そうだね。
さあ、おいしいお酒とケーキが待ってるぞ。
今夜は優しく私を包んでね。