『青い風』
2025年7月1日。
この日をもって、今の会社に転職して丸12年が経った。
ひと巡り。まさかこんなに続くとは。転職するからにはある程度続けようとは当時思ってたと思うけど、にしても12年て。
10年経った頃にも感慨に浸ってたような記憶はあるけど、12年のほうが重みを感じるというか、年齢でもひと回り違うとか言うし干支も12種類だし。一年も12ヶ月だなそういえば。
転職魔だった私が一つの職場に腰を据えて、気づけばこんなに長い年月続いてて。自分が確かに辿ってきた軌跡なのに、実感がなくてまるで信じられない。
時が経つのが早いことを“あっという間”と言うけれど、本当にそんな感じ。さっと吹き抜けた風のように一瞬に思える。12年って重いと言いながら、一瞬だったと思うとなんかあっけないな。人生ってそんなもんなのか。
初出勤の日のことは今でも鮮明に覚えてる。その前日まで前の職場で働いてたことも。その時の上司に「辞めます」と告げた日のことも。
一瞬だったとはいえ、長年働いてきただけにいろんなことがあった。本気で辞めようと思ったことも何度もある。それでも続けていられてるってことは本気じゃなかったってことか。本気だと思ってただけで。
コロナ禍あり、会社の経営方針や自分の働き方の変遷あり、そして人の入れ替わりもたくさんあった。何人見送ってきたのかな。
今では一瞬に思えるその風は、そよ風になったり暴風になったり、表情を目まぐるしく変えて私を取り巻いてきた。青色だったらいいなぁと思う。半透明に近い青のイメージ。白交じりの。無理やりにでも爽やかな風だったということにしておこう。
風になって吹き抜けてきた自分。
偉いし立派だし、よく今生きてるなと思う。生きてて良かったなと思う。
今日私は誰よりも称えられていいから、大きな労いと少しのお祝いを兼ねて、自分を甘やかす日と決めたんだ。誕生日がもう一度来たような気がしてる。今現在の私が生まれた日だから、ある意味そうだね。
さあ、おいしいお酒とケーキが待ってるぞ。
今夜は優しく私を包んでね。
7/5/2025, 9:16:49 AM