拾い集めた言葉を使う
はたして私の言葉だろうか
テーマ:薄っぺら
世界に溢れる素敵なものを
今日も貪る私は凡人
テーマ:天才
身の丈を知っている
背伸びもできない
身の程を知っている
思い上がり舞い上がり
敷いた大風呂敷でドレスを仕立て
恥をかくのは目に見えている
ならば憧れの残滓は宝箱へ
悲しくないよ、悲しくないさ
私は私を受け入れる
一年前のじゃ、もう古い
工事続きの地下街が、
摩天楼のビル街が、
積み木のように崩して建てて、建てて崩して
昨日の地図でももう古い
お題:新しい地図
■修正
一年前のじゃ、もう古い
工事続きの地下街も、
摩天楼のビル街も、
積み木のように崩して建てる
昨日の地図でももう古い
今日の地図でもすぐ変わる
明日の地図を作らなきゃ!
■追加
大阪梅田のダンジョンや、
東京新宿のラビリンス
完成夢見るサグラダファミリア
この設計図が未来の地図だ
ずいぶん遠い未来の地図だ
だけど心を満たす宝の地図だ
兄が被る王冠が輝いて見えていた。
いつも澄ました顔で玉座に座っていたから、
僕にもできると、やってみたいと思ったんだ。
いたずらで被った王冠のあまりの重さに
笑顔を作るどころか顔を上げることもできなくて、
それで、やっと王の務めを知ったんだ。
テーマ:責務
ひどく硬くて重たい塊を抱えていた。
「重いよ、捨てたいよ」
泣きながらそう訴えるけど、そういえば言うほど、どうしてかこの腕はぎゅうと塊を抱きしめた。
手放し方がわからない。壊すこともできない。
「重たいよ、苦しいよ。どうすればいいの」
日に日に重くなっていく塊が、この足の歩みを止める。とうとう立っていられなくなって、座り込んでしまった日に、風船を持ったその人は言った。
「ねぇ、空を見てごらんよ」
「空?」
「だって、君はいつも俯いている。もったいない。今日の空は、一段と綺麗なのに」
ほら、と人差し指が天を指す。つられて顔を上げると、ああ、確かに。柔らかな日差しは微笑むように、私にも降り注いでいる。
「綺麗だね」
すると、体が軽くなったような気がして、はたと見たこの手は、風船がくくられた紐を握り締めていた。
「飛ばすなら今日は絶好の日だね」
「なら、話を聞いてくれる?」
「いいよ。僕の話も聞いてくれるならね」
お題:空に向かって
血肉となった言葉を
まるでバレリーナのような美しさで
物語を彩るとき
お題:小さな幸せ