テラ

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8/12/2022, 1:43:59 PM

太陽の煌めきが、粗い網目を貫通して、あなたの頬に居場所を作る。美しい光の粒があなたの肌の上を飛び跳ねては散乱して、あなたは輝きを放ち、一面に転がるひかりの残骸を踏みしめるあなたのくるぶしは、芸術のような輪郭を描いていた。あなたの顔に差す影だけが、あなたを人間にとどめている。私は恐ろしかった。突き刺さる幾億の光線を浴び、なお美しく生きるあなたはいつか、ただひかりを反射するだけの、白い装置になる気がして。

麦わら帽子

8/11/2022, 1:45:26 PM

終点
誰かと一緒に死んで、誰かと一緒に天国に行って、誰かと一緒に輝く粒子になり境目も分からないほどに溶け合いひとしずくの宝石になることができたとき、それでようやくきみは生まれたがってくれるんだろうか。さみしい、くるしい、たすかりたい、夜毎の悲鳴を飲み込んで、わたしは神さまみたいだった、でも本当の神さまじゃなかったから、真っ直ぐに立ち上がろうとした、「おまえにはまだはやいよ」腰に巻きつく手があった、優しく、腹立たしいほどに緩やかな殺人だった、私は座り、座り込み、昼食を吐き、窓を開けてなんていい天気だと唾を吐きかけ転落した。