星空の下で
しあわせだった想いでが
たったの一つだとしてもあることは
あまりに美しいことだ
想いでは美化されて
軽やかに手放すことが
難しくなるとか、よく知っている人はいう
でももし
美化することで
いつまでも忘れず愛していられるなら
わたしはそれがいい
いちど
狭い脱衣場の天井に貼った
暗がりに光る星型のシールをみあげながら
背中をだいて貰ったことがある
わたしは彼のからだにすっぽりと包まれた
偽物の星でもわたしには大宇宙みたいだった
宇宙でふたりぼっち
幸せだった
忘れない、と思った
喜びに胸が張り裂けて
わたしは嗚咽をおさえられなかった
彼は、そんなわたしを見て
誤解をして、自分を責めたのだろう
わたしをなじり
去って行った
胸が張り裂けてなお
愛する男性に出逢えた人生を
愛している
ばかみたいに初心に愛した
好きすぎて、好きすぎて
近くにいるだけで
なんにも話せなくて
恋心だけが高鳴っていたっけ
彼とのあいだにあった
たった一つの
幸せな想いで
脱衣場の大宇宙
背中を抱かれてみあげた
星の瞬き
この幸せだけで
一生、愛していられる
それくらい甘い
甘い、甘い、幸せな時間だった
幸せな時間だった
それでいい
それでいいより
それがいい
二番じゃなくて
一番がいい
それなりに好きより
大好きがいい
それでいいより
それがいい
だけどだけど
もし君が
笑ってくれるというのなら
一番じゃなくて
二番がいい
かなしいけれど
それでいい
きみを愛せる時間が好きだ
かなしいけれど
それがいい
1つだけ
わたしはすべて
もっている
だからほしいのは1つだけ
それはわたしにぴったりの
男の子
わたしはその子と子どもをつくる
すべてをもっているのにね
もっともっていいなんて
神さま
あなたは
愛しすぎてる
あなたはわたしを
愛しすぎてる
大切なもの
私らしさ
それは
私のここちよさ
ここちよさとは
目の
舌の
肌の
鼻の
肺の
わたしのなかの
もっとも小さな細胞も
ひとつとして取り残すことなく
喜び楽しんでいること
虐げから身を洗うには
わたしにまつわるすべての暴力を
かなしみ
優しさにかえること
わたしではないものには
あなたはわたしではありませんと
丁寧にお断りすること
大切なもの
それは私らしさ
私に与えられた細胞の
ひとつひとつの
喜び
ひとつひとつの
楽しみに
耳を澄ませて
叶えてあげること
エイプリルフール
なーんちゃってね
ごめんね全部
ぜんぶ嘘
なーんちゃってね
なーんちゃってね
ごめんね信じた?
んなわけないじゃん
騙しただけだよ
からかっただけだよ
ちょっとした洒落だよ
驚いた?
これまでの全部
ぜんぶ嘘
暇だったから
遊んだだけだよ
三文芝居に
つきあっただけだよ
ごめんねドライで
ごめんねクールで
熱くなれない
これが性分
そんな自分が
大好きなんです
面白かったよ
笑えないストーリィ
最高に滑稽
くっさい台詞が多くてサ
マジで大変だったんだから
善人ヅラした悲劇のヒロイン
水面下には悪魔の繰り糸
臆病者の自己顕示欲
ひとりになるのが
死ぬほど怖い
さあ
いいこだねこれからは
大人しく幸せにしてな
虐められる役どころ
なかなかに
楽しかったよ
なーんちゃってね
なーんちゃってね
今までの全部
ぜんぶ嘘
笑っちゃうほど
ぜんぶ嘘
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エイプリルフール
12月31日