真夜中0時ちょうどに、玄関のチャイムが鳴った。…ような気がした。
とても怖かったから、ボクは″気のせい″にすることにした。
…しかし、今度は枕元のスマホの着信音が鳴った。ボクは、寝るときは電源オフにしているから、あきらかに、おかしい。
さらに怖くなったから、ボクはまた″気のせい″にすることにした。
…だけど、次は寝ているボクの耳元で囁く声が聞こえた。小さくて聞こえにくいんだけど、どうやら″こんばんは″とずっと言っているようだ。
もうなんだか仕方がないから、ボクはありったけの勇気を振り絞って目を開けた。耳元にいたと思われるものが、そこにいた。正体は、小さな小さなピエロだった。
予想に反して、愛らしい顔つきをしていた。
「こんばんは!ミッドナイト、と申します。今夜はあなたのお誕生日に素敵なショーをプレゼントしに参りました。では、ご覧ください!」
と言い、小さな小さなピエロは、軽やかに宙を舞い、さらさらと花びらをまきながら踊り始めた。
鼻歌を歌いつつ手品をしたり、時におどけたり、彩り豊かなピエロのショーは、とてもとても楽しかった。
ショーを終えると、小さな小さなピエロは深々と一礼し、手をパン!と叩いた。すると、目の前に17本のロウソクがたったバースデーケーキが現れた。なんと、ボクの名前入りのメッセージプレートもついている。
ボクは、ロウソクの火をふーっ!っといっきに吹き消した。真っ暗闇の中から、今度は、手のひらサイズの箱が現れた。リボンをほどいて箱を開けると、そこには光る石が入っていた。角度によっては七色に輝く、キラキラと美しい石だった。
「この石は、あなたを一生お守りします。どうぞ、大切にいつも身につけていてくださいね。では、お誕生日おめでとうございます!素敵な日々が過ごせますよう、いつもお祈りしておりますね!ではおやすみなさい!」
小さな小さなピエロはこういうと、ポンッ!と消えてしまった。
……と、
目が覚めたら朝だった。
ああ、夢か。
不思議な夢だったな。
でも楽しかったなあ。
さて、今日は誕生日か。
いつものことだけど、誕生日でも何も変わらないな…
起きたくないけど、そろそろ支度をしないと遅刻してしまう、と布団から起き上がったボクが見たものは、布団の横にちょこん、と置いてある小さな箱だった。
そっと手に取り開けてみると、そこには夢でみたあの、キラキラと光る美しい石が入っていた。耳元で、誰かが、ふふふ と笑ったような気がした。
私が 安心するもの
あなたが 安心するもの
私が 不安になるもの
あなたが 不安になるもの
みんな それぞれ 違うから
互いの好みを 責めず
自分の好みを 押しつけすぎず
そうなんだね
それもいいね
って
かるーく
優しーく
受けとめられたら いいな
ながいながい みちのりを
はじめは ゆっくりと
だんだん はやくなり
そのうち かけぬけて
いま ここまで やってきたんだ
めのまえは
とても まぶしくて
そこに いる
そのだれかの かおが みえないけど
ぼくは
さいごの いっぽ は
おもいっきり じゃんぷを したんだ
ちかづいた そのだれかは
にっこり わらって
とびあがった ぼくを
その おおきな つばさで
やさしく やさしく
つつんで くれたんだよ
バイトが突然休みになったので、近くのショッピングモールに出かけることにした。平日とはいえ、店内は思ったより混雑している。実は人混みがあまり得意でないので、別の場所にしようと入り口に引き返そうとしたところ、「すみません、こちらいかがですか?」とチラシを渡された。
″こんな夢を見た″
チラシには大きくこう書いてある。
どうやら、特設会場で夢について語るイベントを開催しているらしい。
普段ならその手のイベントには行かないのだが、なんだか興味が湧いて行ってみることにした。
会場は2階の端にあり、なぜかだれもおらず、ひっそりとしていた。おそるおそる黒い幕をめくり中に入ると、イスに座った1人の女性がにっこりと笑ってこちらをみていた。彼女は大きな水晶玉を目の前に置き、まるで占い師のようだ。絶対に怪しいのだけど、妙な懐かしさがあって、ボクは意を決して彼女に声をかけようと息を吸う。
「こんにちは。どうぞ、お座りください。」
ボクが挨拶するより先に、彼女が言った。
「わたしの夢の話をきいてください。そのあと、あなたの夢の話をお聞かせくださいね。」
彼女はそう説明すると、自分の夢の話をたんたんと語りはじめた。まるで、お伽話のような、不思議な夢だった。
かなり長い時間彼女は話し続けた。
「はい。これでわたしの夢の話はおしまいです。ありがとうございました。では、あなたの夢の話をお願いいたします。」
彼女は目を瞑り、水晶玉を両手で包んだ。すると、キラキラと水晶が輝き始め、その光はあたりいっぱいにひろがった。ボクは眩しくて目を瞑った。
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ピピピ ピピピ ピピピ
ピピピ ピピピ ピピピ
ピピピピピピ ピピピピピピ
ピピピピピピ ピピピピピピ
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ!
ん?
目覚まし?
ん?
あれ?
ん?
占い師は?
水晶玉は?…
夢?
夢なの??
マズい…
バイトの時間に間に合わない…
タイムマシーンがあったら、どこにいく?
(ちなみにいけるのは、私の人生のストーリーのみ、です。)
未来の私に、会いにいこうかな?
(なりたい私になってるかな?)
過去の私に、会いにいこうかな?
(泣いていた私を抱きしめにいこうかな?)
うーん
どうしようかなあ…
えっとね、
たぶんね、今は使わないかな。
だってね、
未来は楽しみにしていたいし、
過去は今、癒してあげることができるから。
うん、
だからね、
まず今をね、
今の私を大切にして、過ごすの。
それが1番かな!!!
(目の前にホントにタイムマシーンが出てきたら、使っちゃうかもしれないけどね。ふふふ。)