バイトが突然休みになったので、近くのショッピングモールに出かけることにした。平日とはいえ、店内は思ったより混雑している。実は人混みがあまり得意でないので、別の場所にしようと入り口に引き返そうとしたところ、「すみません、こちらいかがですか?」とチラシを渡された。
″こんな夢を見た″
チラシには大きくこう書いてある。
どうやら、特設会場で夢について語るイベントを開催しているらしい。
普段ならその手のイベントには行かないのだが、なんだか興味が湧いて行ってみることにした。
会場は2階の端にあり、なぜかだれもおらず、ひっそりとしていた。おそるおそる黒い幕をめくり中に入ると、イスに座った1人の女性がにっこりと笑ってこちらをみていた。彼女は大きな水晶玉を目の前に置き、まるで占い師のようだ。絶対に怪しいのだけど、妙な懐かしさがあって、ボクは意を決して彼女に声をかけようと息を吸う。
「こんにちは。どうぞ、お座りください。」
ボクが挨拶するより先に、彼女が言った。
「わたしの夢の話をきいてください。そのあと、あなたの夢の話をお聞かせくださいね。」
彼女はそう説明すると、自分の夢の話をたんたんと語りはじめた。まるで、お伽話のような、不思議な夢だった。
かなり長い時間彼女は話し続けた。
「はい。これでわたしの夢の話はおしまいです。ありがとうございました。では、あなたの夢の話をお願いいたします。」
彼女は目を瞑り、水晶玉を両手で包んだ。すると、キラキラと水晶が輝き始め、その光はあたりいっぱいにひろがった。ボクは眩しくて目を瞑った。
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ピピピ ピピピ ピピピ
ピピピ ピピピ ピピピ
ピピピピピピ ピピピピピピ
ピピピピピピ ピピピピピピ
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ!
ん?
目覚まし?
ん?
あれ?
ん?
占い師は?
水晶玉は?…
夢?
夢なの??
マズい…
バイトの時間に間に合わない…
1/24/2026, 7:22:04 AM