昨日はたくさん遊びまわって、夕方から寝てしまったハリネズミのハリーくん。
今日は、ずいぶんと早く目が覚めてしまいました。
ごそごそ、と布団から顔を出したら、あたりはまだ真っ暗です。
ハリーくんは、
「おかあさん、おかあさん、あさがこないよう。」
と、隣で寝ているお母さんハリネズミを慌てて起こしました。
「なんだい、こんな早くから。ああ、ハリー、まだ日の出前だからねえ。お日さまはまた隠れているんだよ。ああ眠い…」
お母さんハリネズミはそう言って、また布団に入ってしまいました。
ひと晩ぐ~っすり眠ったので、おめめがパッチリなハリーくん。ちょっぴり怖いけど、外に出てみることにしました。
空を見上げると、そこにはまだお月さまが出ています。
ハリーくんは、
「おはよう!」
と、お月さまに言いました。
お月さまはハリーくんをみて、
「おやおや、珍しい時間に遊んでいる子がいるなあ。」
と、にっこりしました。
月明かりの中、ハリーくんはいつも遊んでいる公園を歩き回りました。同じ場所なのに、全く別の公園みたいでワクワクします。普段聞いたことのない虫の声が聞こえてきました。
「なんだか、ふしぎだなあ。」
ハリーくんは、そう言って目をキラキラさせました。
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しばらくすると、空が明るくなってきました。日の出の時間が近づいてきたのです。
ハリーくんは、光り出す空をじっと見つめ、お日さまが顔を出すのをいまかいまかと待ちわびています。
初めて見る日の出は、もうすぐです。
『今年の抱負をひとことお願いします』
スマホでアンケートをやっていたら、最後の問いがこれだった。ポイント稼ぎに始めたのだが、思いのほか長くてボクは面倒くさくなっていた。
…ので、
「テキトーな1年」
と、テキトーに答えた。
ちなみに、もらえたポイントは、2ポイントだった。
2ポイントかあ…
と、正直思ったけど、
まあ、そんなもんだよなあ、
まっ いっか~
と、気持ちを切り替え、ボクは散歩ついでに近くのコンビニに出かけることにした。
24時間やっているコンビニは、ボクみたいな人間にはとてもありがたい存在だ。
ボクは基本、好きなときに寝て、好きなときに起きる。働きたいときに働き、休みたいときに休む。お腹が空いたら食べたいものを食べ、気分転換に散歩をしたりコンビニに行ったりする。
世の中では、早寝早起きをしましょう、とか、1日3食栄養バランスよく食べましょう、とか言われているが、そんな規則正しい生活とは、まったくの無縁なのだ。
まあ、それでも生活が成り立っているのだから、人生なんとかなるのである。
派手さはないけど、自分の心地よさをとことん追求していったら、今の生活になったんだ。
まあね、目立つことに憧れたこともあったし、パートナーが欲しかったこともあったけど、今の感じ、結構好きなんだよなあ、と、満足していたりする。
コンビニで、オレンジジュースとあんパンとプリンを買った。ボクは甘党なんだ。
そして、今日は天気がいいから、お気に入りの場所に行くことにした。
土手に座り、川の流れを眺め、あんパンをかじる。うん、美味い。
空を見上げると、雲がアンパンマンみたいな形で、1人で笑ってしまった。
足元をみると小さな花が咲いていて、「寒いのにすごいなあ」とおもう。
小さなしあわせって、こんな感じかなあ、としみじみしながら、またあんパンをかじる。もぐもぐ。
夕暮れまで川原で過ごし、流石に冷えてきたのでアパートへ戻ることにした。
カラスの鳴き声をきいていたら、ふとアンケートのことを思い出して、
″テキトーな1年″
ってテキトーに答えたけど、
すごーくいい1年だよなあ
と、思い、
ボクは、また1人で笑ってしまった。
新しい年が始まったけど、ボクは何にも変わらない。
目が覚めたら、カーテンと窓をあけ、まず大きく深呼吸をする。
空を眺め、しばし、ぼーっとする。
トイレ行って顔を洗い、洗濯をまわして、コーヒーを入れる。
洗濯が終わるのを待ちながら、コーヒーをゆっくり味わう。
スマホでもろもろチェックをする。
さて、今日はどうするかな?
ああ、お天気がいいから、今日は読みかけの本川原で読もうかな。
寒いからな、ポットにあったかいお茶を入れて持っていこう。塩むすびもつくろう。外で食べよう。
世の中では、おせちや初詣、年末年始のきまりみたいなことをしているらしいが、ボクはいつもどおりの生活をする。
だってさ、
それがボクにとってもっともボクらしい幸せなことだから。
そういう人生も、いいよね。
1年が終わり
また
1年が始まる
わたしに嘘をつかず
わたしに正直である
こと
穏やかで純粋なわたし
であること
新たなスタートの日
楽しい ことも
悲しい ことも
嬉しい ことも
苦しい ことも
忘れられない あの日の ことも
みんな みんな
星に 包まれて
ゼロ に なる