谷間のクマ

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8/11/2025, 9:50:59 AM

《やさしさなんて》

書けたら書くかなー

2025.8.10《やさしさなんて》

8/10/2025, 8:09:20 AM

《風を感じて》

書けたら書く!

2025.8.9《風を感じて》

8/8/2025, 3:13:17 PM

《心の羅針盤》

書けたら書く!

2025.8.7《心の羅針盤》

8/7/2025, 9:21:37 AM

《またね》

書けたら書く

2025.8.6《またね》

8/6/2025, 12:52:05 PM

《泡になりたい》

「……そういえばリトルマーメイドって、最後は泡になって終わるんだよな」
「……はい?」
 虫の声がうるさい夏の暑い夜。俺(齋藤春輝)がリビングで天気予報を見ながら久々にアイスを食べていると、ふと双子の弟の蒼戒が机に向かいながら口を開いた。
「いや、なんでもない」
「いやいやいやいや! なんでもなくはないでしょ!! 何突然リトルマーメイドって!!」
「いや本当になんでもないんだが……なんとなくふと思い出して」
「確かにリトルマーメイドは主人公が泡になったところで終わるけど……」
「それならあの人も、泡になったみたいに死んだのかな、と」
「なるほどそう言うこと……」
 俺たち双子には、姉がいた。随分前に、亡くなったけれど。死因は、溺死だった。
「悪い、今話すことじゃなかった」
「いや、いいよ。どーせまただったら自分も泡になりたいー、とか思ってたんだろ?」
「……よくわかったな」
「そりゃわかるさ。でも、絶対泡になんてさせないから」
 俺は蒼戒に向かってはっきり言う。蒼戒を泡になんか、させない。死なせやしない。
「そりゃ参ったな。泡になるのも悪くないと思ってたんだが」
「お前なー! さてはお前疲れてるな?! 今日はもう寝ろ!!」
 蒼戒がこう言う話をする時は決まって体調が悪い時か疲れている時と相場は決まってるし。
「いや別に疲れてないと思うんだが……」
「いやいやいや、最近暑いしそもそもお前最近ろくに寝てねーだろうが!」
「……そ、そんなことないが……」
 口ではそう言っているものの、バレてたのか……? とその顔が言っている。
「嘘つけ。というか夏休みくらいゆっくりしろよ」
「無理だな。休みが明けたら選挙があるし、そもそも明日も稽古があるし」
「だったら尚更早く寝ろ! そんなんじゃ夏バテまっしぐらだ!」
「わかったわかった。お前がうるさいからもう寝るか……」
「どうとでも言いやがれ。でも断言する。お前いつか絶対倒れる」
「はいはい」
「はいはいじゃねーよ! あ、そうだ、たまにはアイスでも食べる?」
「いらない」
「えー、美味しいのにー」
 とまあこんな感じで夜は更けていく。言い合いしてたら結局寝る時間はいつもと同じになっちゃったけどなー。
(おわり)

2025.8.5(8.6)《泡になりたい》

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