愛するもののために戦い
平和のために戦う
愛と平和は
利己的で暴力的な欲望と裏腹
他者に冷酷になれる者ほど
愛と平和を語る英雄なのか
謳うな 奪うな
愛も平和も
ことさらに語られない場所にある
「愛と平和」
#357
スマホは私の外付けメモリ
遠い記憶も手もとで蘇る
夕空 渡り鳥 香る花
ごちそうスイーツみんなの笑顔
内蔵メモリが消えたあとも
私の見た景色が残るのか
父母の時代にもあったなら
見ていた景色を読み出したいな
「過ぎ去った日々」
#356
お金より大事なものがなかったら
買うもの何もなくなっちゃう
「お金より大事なもの」
#355
「いい月だなぁ」と空を見上げて呟くと、
「いい月ですなぁ」と背後から聞こえる。
驚いて振り向いても誰もいない。誰?
「驚かせてすまぬ、私だ、影だ」
わたしの足もとから後ろへ伸びた影だった。
「え。影って話すんですか」
「私は通常の影ではない。
月影の影ときたら特別なのだ」
そんなこともあるのかなぁと思いながら歩く。
「かなりの良い月夜でないとここまではっきりとは話せぬ」
「それはそうかも知れませんね」
「うむ。まさに名月と言えよう」
「なんだか話し方が少し古風ですね」
「うむ。月影の影というくらいだから、
少々時代がかった雰囲気が合うのであろう」
よくわからない理屈だけど、そんな気がしないでもない。
「でもあれですね、月の晩に話し相手がいて
そぞろ歩きというのもいいものですね」
「いつも貼り付いている身としてはさほど感慨はないが」
「そりゃそうか、いつも気づかずすみません」
「いや、なに、気にするな」
「昼間の影さんは別の方なんですか」
「うむ、そうじゃな」
「日勤、夜勤の交代制ってことですかね」
返事がない。建物の陰で月明かりが無くなったら消えてしまった。急いで建物を通り過ぎる。
トンネル内で電波が切れる通話みたいだ。
「もしもし、月影の影さん、いますか」
「失礼した」
「街中だと途切れ途切れになっちゃいますね」
「仕方のないことだ」
「次によく晴れた満月の晩があったら、遮る物のない広い場所にでも行ってみますね」
「それはさぞ気持ちの良さそうな」
「そうですよね。きっとまた会えますか」
「会えるには違いないが、また話せるかは確信が持てぬな…」
「そんなものですか」
「そんなものだ」
「でもやってみますよ、だめもとで」
そこまでで月は湧いて出た雲間に隠れてしまい、
月影の影さんも消えてしまった。
次の良い月夜がちょっと楽しみだ。
明日、日勤の影さんにもちょっと話しかけてみようかな。昼間は人目もあるしちょっと恥ずかしいか。
「月夜」
#354
絆創膏って
切り傷(創)をつなぐ(絆)くすり(膏)という意味で膏薬を塗ってた時代の名残かな、くらいに思っていました。どうも地域によっていろいろな呼び方があるようで、「ばんそうこうの呼び方マップ」というのも見たことがあります。
バンドエイド、カットバン、サビオ、リバテープ、、その地域で有力な商品名が定着しているのでしょうか。
故郷から離れた場所で、懐かしい呼び方をする人に出会った時に生まれるのも絆か、と思うとほっこりします。
「絆」
#353