ミルクティーの色をしたこぐまちゃん
森の向こうのお花畑に向かいます
ぽふん、ぽふん
やわらかな足であるくと、
ひと足ごとにミルクティーの香りがします
森の向こうのお花畑で、
お花摘みをするのです
春を楽しみに待っているおかあさんに
この春いちばんに咲きはじめた
いちばんきれいなお花をあげたくて
あっ、たいへん
夢中になっていたら、もう暗くなってきました
急いでかえらないと おうちで心配しています
ぽふん、ぽふん いそげ、いそげ
ミルクティーの甘いかおりとお花のかおり
森を抜けておうちへ急ぎます
おうちの明かりが見えてきました
あぁ、よかった
ただいま!!
おかあさん、見てみて!きれいなお花だよ!
まぁ、ほんとうに何てきれいなお花でしょう
森の向こうまでお花を摘みに行ってくれたの?
ありがとうありがとう とっても嬉しいわ
お外はすこし寒かったでしょう
あったかいお茶とクッキーをどうぞ
こぐまちゃんとおなじ香りの
あまーいミルクティー
さくさくクッキーと嬉しそうなおかあさんの顔
なんだかしあわせなきもちでポカポカ
「花畑」
#220
降りしきる雨の中
傘ももたずに歩く
全身を濡らし
身体が心と同じに冷え切るまで
涙が溢れて止まらない
わたしと空がひとつになる
「空が泣く」
#219
アドベントカレンダー
クリスマスまでのカウントダウン
遠い日あなたが手作りしてくれた
一日ごとに出てくる動物たち
シマウマ キリン ゾウにサイ
ヘビクイワシと青いコマドリ
楽しい旅の思い出がよみがえる
最後の窓は何だろう
笑顔の二人の写真と
Will you marry me? の文字
新しい幸せへの
カウントダウンに驚いたあの日
「カレンダー」
#218
世界から
色が無くなること
音が無くなること
温度が無くなること
足元が定かでなく
景色に奥行きがなくなり
痛みも喜びも感じない
どこからか
血が流れ出ていて止まらないこと
「喪失感」
#218
胸の鼓動は電気信号
ピッと発信 ドクンと一回
食事はするが充電不要
こんなに精工 こんなに不思議
神さまを創った人間だけど
人を創れるのはやっぱり神か
思い描くと楽しい
マニアックすぎる神さま
「胸の鼓動」
#217