9/7/2023, 11:00:07 AM
泳げないカマキリが
踊るように池に飛び込むのは
群れから離れたアリが
葉に顎を突き立てて事切れるのは
寄生され操られているのだという
破滅への道と知りながら
歩みを止められずにいるわたしたち
何ものかが寄生しているのかな
「踊るように」
#216
9/6/2023, 10:48:18 AM
丘の上の聖堂で鐘が鳴る
礼拝の時を告げる鐘
丘を中心に輪となって
静かに響き渡っていく
粉雪の舞う白い町で
鐘の音は柔らかく地に染みていく
僧侶の祈りを思いながら
雪をゆっくり踏みしめて歩く
鐘の音と共に ひと足ごとに
祈りが世界に染み渡っていく
どんなに風が冷たくとも
「時を告げる」
#215
9/5/2023, 10:18:01 AM
その あまりにも柔らかな身体を
まもるため身につけてきた殻
時に隠れ 時に閉じこもり
時に半身を乗り出してみたり
柔らかいことは弱さか
殻をまとうことは逃避か
そんなはずはなく
ただ全て わたしであるだけ
わたしの殻は美しくかがやき
優しく海の音を響かせる
「貝殻」
#214
9/4/2023, 10:33:41 AM
波頭にきらめき踊る
幾千幾万の光の粒たち
水の中から生まれいでて
空へ飛び立っていく
鳥になり蝶になり
海を渡っていのちを運ぶ
時を超え次の世代へ
その輝きは受け継がれゆく
「きらめき」
#213
9/3/2023, 10:50:27 AM
目の前のこと
些細なことと思わないで
そのずっと先にある
方向を見失わないで
いつも遠くの
美しく良きものを目指して
「些細なことでも」
#212