七夕、星まつり、笹竹の節句。
近隣の商業施設で、笹竹が飾られ短冊に願い事を書くコーナーが設置されている。最近目にしたところでは「今すぐお金が欲しい」「100万円手に入りますように」と世知辛い世の中を痛感…
幼稚園では、笹に折り紙飾り。短冊に書く願い事は「走るのがはやくなりますように」「バレエが上手になりますように」とホッコリする努力目標(そう指導されるのかもしれない)が多くて、もともと技芸上達を願う行事の側面もあることを考えると納得
進学塾に飾られた笹にはもちろん「◯◯学園絶対合格」「第一志望に受かりますように」有名校の名前がずらりと並んでいて思わずこちらも手を合わせて祈る気持ちになる
七夕に思い出すのは、上の子の塾で同様の必勝短冊を見ていた下の娘が私も、と言って「南国のばらが上手にひけますように」と書いたピンクの短冊。習い始めだったピアノのあのメロディーと、懸命に鍵盤に向かっていた幼い娘の姿が甦り、大変だった子育てのなかで流れたトロリと幸せな時間が胸に満ちる
「七夕」
#158
友達の、思い出話を聞くのが好きだ
田舎の野山を駆け巡った話など大好物
珍しく川が凍ったときに歩いて渡ろうとして
割れた穴から冷たい水に落ちた話
得意の木登りで樹上に秘密基地を作ったけど
数日後大人たちに片付けられてしまった話
うどんを餌に堤防で魚を釣りまくった話
採れたてのホタルイカを漁師さんに分けてもらった話
わたしが経験してこなかった話が
まるで異世界の物語のように楽しく
自分の人生の横幅まで
ぐんと広がるような楽しいひととき
「友達の思い出」
#157
天の川もさそり座も
北極星も北斗七星も
伝説みたいなもので
実在しないと思ってた
だって見えたことがなかったから
でも自動販売機もない旅先で
懐中電灯を頼りに闇を歩きながら
見上げた空にそれはあった
何の説明もなくてもわかる
光の川が空を流れている
それではあれが北極星か
カシオペアはあんなに大きかったのか
見えなかったものが急に見えた
脳は激しく活性化して
わたしが、世界が、
バージョンアップ
「星空」
#156
臭い物に蓋をした
憎しみや妬み、呪いも
隙間から滲み出てこないよう
押さえつけて 醗酵させて
いつか何か別の
できれば良いものになれ
わたししか知らない
誰も知らない
でもそれじゃ苦しいんだ
悪い自分をわたしは消せない
だから
神さまには知ってて欲しい
悪いわたしのこと
そしたらちょっと安心できる
「神様だけが知っている」
#155
この道の先にね、
新しいお店ができたんだ
小さなお店でね、
コロッケやさんなんだよ
見に行ってきたんだ
そしたらね、
一個30円て書いてあった
30円だよ、
お小遣いで買えちゃうよ
すごいでしょ
サックサクの揚げたてだって
絶対おいしいよ
ひとつ下さい、って買ってさ
アツアツのをすぐ食べちゃう!
ね、すごいでしょ
だめって言っちゃだめだよ
「この道の先に」
#154