ぎゅっと握りしめた拳をゆるめ
手のひらをそっと開くように
とらわれた強い思いを手離せたなら
そこにふわっと 安らかさが宿る
「安らかな瞳」
#45
いつも耳もとで聞こえる寝息
ブゴー…ブゴゴゴ…スー
はじめは戸惑った
これでは眠れない!と焦った
それがいつしか安らぎの音
少しの違いで体調もわかる
ブゴー…スー…
ああ 幸せそうに眠ってる
楽しい夢みてるかな
きっと広い野原をかける夢
私の脇を4本脚がポコポコ蹴っている
夢の中で私も一緒だといいな
いつものお散歩コースとは違う
森の中を 海岸線を 思い切り走ろう
やわらかな毛並みを撫でながら
今日も隣で眠る幸せ
「ずっと隣で」
#44
あれは何 これは何
それは何て名前なの
誰がその名前をつけたの
ねえどうしてどうして
知らないものばかり
知りたいことばかり
まっさらな紙を
とりどりに塗りつぶしていくように
世界にどんどん色がつき
あなたはどんどん成長していく
そしていつしか
これは何?と尋ねるのはわたしのほう
わたしの知らない世界のことを
あなたが語ってくれる幸せ
何色あっても足りない
いつだってもっと知りたい
広く深く 美しいこの世界
「もっと知りたい」
#43
平穏な日常とは何だろう
快適に満たされ変化のない日々だろうか
その日々が失われることは不幸だろうか
もし
病を得ても消沈せず静かに生き
年輪を味わいながらゆっくりと老い
死を人生のあたりまえの一部として受けとる
変化変転を厭わず眺められるような
そんな気持ちで過ごせたなら
それはとても穏やかな日々
穏やかな人生
「平穏な日常」
#42
Love of power
権力への愛は 支配と暴力、破壊をまねく
また、愛するものを守ろうとするとき
人は最も暴力的になれる
その力を権力に利用させるまい
Power of love
愛の力が 権力への愛に勝ることができたなら
そのとき
平和が訪れるのだろう
諦めることなく
こころの中からはじめる
愛を そして平和を
「愛と平和」
#41