貴方の理想郷はどこですか?
そんな雑誌の書き出しを見て
私はないよと呟いた
理想郷なんて考えるだけ無駄
なんて思ってた会社員時代
疲れちゃってたんだ何もかもに
朝から晩まで働いて
休みの日は死んだように寝て
でも心配してくれるような人もいないし
支えてくれる人もいない
でも今は違う毎日遊んで暮らせる
会社に行かなくてもお金がなくても
恐怖を感じない
楽しい。私の理想郷はここだ。
先輩なんでいなくなっちゃうんですか
貴方が僕の光だったのに
死んじゃいそうだねって苦笑いしながら
2人で残業してたじゃないですか
なんでほんとに死んじゃうんですか
あなたの前に転がるもうひとつの物語
私は日々色々な選択をして生きている
私が選んだ方の物語は私と共に描かれる
だけど私が選ばなかった方は私とは別に
描かれるそれぞれ違う道だけど
お互い幸せであることを願って
紅茶の香りに鼻を掠めて
新たな世界を描く
今はまだ私しか見えない世界だけど
いつか色んな人と共有できるように
誰もが楽しめるように
そう思いながら頭をひねる
紅茶を一口
私はこの人が描く小説が好きだ
彼女は何もかも新しくしてしまう
飽き始めていた生活にさえも彩りを
加えてしまう
きっと彼女の新作は今年の秋にでる
そこまで生きながらえていよう
紅茶を一口
斜め前で紅茶を飲みながら私の小説を読んでいる
彼女が幸せだと思える日が多くありますように
そう願いながらパソコンの電源を落とした。
どこまでもつづく青い空を
私は狭い窓枠からしか見たことがない
私が住んでるこの病室の窓ガラスは
季節を運んでくる
外で小さいお友達の楽しそうな声が聞こえて
春は花見
夏は水遊び
秋は落ち葉集め
冬は雪合戦
私も遊びたかった
どこまでも続く青い空の下で
元気に汗をかいて遊んでいたかった
帰る時間になっても駄々をこねて親を困らせる
そんな子供でありたかった。
私はきっともう長くない
今日は私の衣替え
朝から忙しい
昨日は抜け殻の中で眠りこけた
何もかも捨て去って
今日から新しい私を着る
何もなかった。何も苦しくなかった
誰かに抱きしめて支えてほしいような
いつもより寒い冬も凍えたような心もなかった
そんな元気な明るい私を着て生きる
いつもより暖かい花の匂いを纏って
明るい色の服を着てるんるんでおうちをでる。
今日もまた行ってきます。
同じことの繰り返しだけど違う
ありがとう衣替え