工(たくみ)

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1/12/2025, 5:05:26 AM

No.3
世良田 イト(女、17歳)
真田 玲史郎 (男、17歳)
―――――――――――――――――――――
「レー、やっほー」
「おうおうイトちゃん、よくやってきましたね〜」
「ちゃん付け気持ち悪いよ」
「なかなか酷いね」
土日の昼下がり、イトは玲史郎の家に来ていた。
「で、なんで呼んだの?」
「イトさー、あの〜アクション漫画読みたいって言ってたでしょ。学園モノの」
「うん。で?」
「手に入れたから、読ませてあげようと思ってね」
「えっ!いいのっ!?やったー!」
「ほんっと、漫画に目がないね〜」
「うわぁあああありがとう!この主人公も好きなんだけど、ここの人!この人の見た目が刺さるんだよね〜」
「ふーん、その人、俺と真反対の見た目だね〜」
「そー?んー、まぁ確かに」
「んー……ま、ゆっくり読んでってよ」
「ありがとう」

1/7/2025, 10:21:58 AM

No.2
世良田 イト(女、17歳)
真田 玲史郎 (男、17歳)
―――――――――――――――――――――
「あ!」
「イト〜」
学校の外でイトと玲史郎が鉢合わせる。
「なんで学校の外いんのー?」
「部活の外周」
「ふーん。将棋マンのくせに外周か…」
「なんでもいいでしょーが!!」
「邪魔していいー?」
「ダメ〜!今追い風吹いてて主人公気分だったから、邪魔しないでお家に帰ってなさい」
「はいはーい」

1/3/2025, 3:49:12 AM

No.1
世良田 イト(女、17歳)
真田 玲史郎 (男、17歳)
―――――――――――――――――――――
「さあさあ、イトー」
「…なに?」
「今年の抱負は〜??」
わざとらしい笑顔でイトに近付く。
「特にない」
「あらら、今は猫タイム?」
「うるさーい。レーはなんなの」
眉を逆はの字にしながら玲史郎に言葉をぶつける。すると、玲史郎はニヤリと笑う。
「俺?よくぞ聞いてくれた。楽に楽しく生きる!」
「じゃあ私もそれ〜」
「ズルい。本当の目標は…将棋全国行き!だね」
玲史郎が自信満々の顔で言う。
「んー頑張って」
「で、本当の抱負はなんなのよ」

1/1/2025, 5:04:35 AM

明けまして おめでとう

12/1/2024, 4:36:16 AM

目を潤ませ髪を涙で濡らす主様。
辛かったんですよね。孤独だったんですよね。
何もかもくすんで見えたんですよね。
そんなに辛くても、なんで自分が辛いかわからなかったんですよね。

私の言葉は通じない。
だから、寄り添うことしかできない。誰にも気付かれず、独りで苦しむ主様に。
「泣いてはいけないよ。たくみ。余計辛くなる。」
主様は自分自身に泣いてはいけないと言い聞かせている。けど、主様が辛いという事実は変わりやしない。私は寄り添うことしか出来ないけれど、泣いてもいいんですよ。主様。

夕方、とある空き地にひとりと一匹の影が映る。

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