No.4
世良田 イト(女、17歳)
真田 玲史郎 (男、17歳)
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「はー…」
「わかりやすいため息〜」
「…」
「なんで今日一言も話さないの。今日聞いた声、出席の返事だけなんだけど」
「…なんでもねーし」
「口悪っ!……お腹痛いの?ストレス?」
イトは黙って頷く。
「まったく、とりあえず、塾休もうか?塾が嫌ってことだよね?」
「今日数学だから…」
「クラス担当の人、休みとか気にしないタイプなんでしょ?勉強手伝うから、塾は休んで」
「…うん」
「出席の時にお腹痛いって言いなよ」
「変な目で見られるから」
「そんなことない、心配してるの」
「今日、夢で、皆に嫌味言われた」
「それは夢」
「リアルだった。本当にありそうだった」
「…有り得ない」
「続いてるかもしれない」
「有り得ないから」
「…次体育だけど、保健室は?」
「体育行く」
「わかった。見学しといてよ」
「うん」
「はい、行こう」
No.3
世良田 イト(女、17歳)
真田 玲史郎 (男、17歳)
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「レー、やっほー」
「おうおうイトちゃん、よくやってきましたね〜」
「ちゃん付け気持ち悪いよ」
「なかなか酷いね」
土日の昼下がり、イトは玲史郎の家に来ていた。
「で、なんで呼んだの?」
「イトさー、あの〜アクション漫画読みたいって言ってたでしょ。学園モノの」
「うん。で?」
「手に入れたから、読ませてあげようと思ってね」
「えっ!いいのっ!?やったー!」
「ほんっと、漫画に目がないね〜」
「うわぁあああありがとう!この主人公も好きなんだけど、ここの人!この人の見た目が刺さるんだよね〜」
「ふーん、その人、俺と真反対の見た目だね〜」
「そー?んー、まぁ確かに」
「んー……ま、ゆっくり読んでってよ」
「ありがとう」
No.2
世良田 イト(女、17歳)
真田 玲史郎 (男、17歳)
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「あ!」
「イト〜」
学校の外でイトと玲史郎が鉢合わせる。
「なんで学校の外いんのー?」
「部活の外周」
「ふーん。将棋マンのくせに外周か…」
「なんでもいいでしょーが!!」
「邪魔していいー?」
「ダメ〜!今追い風吹いてて主人公気分だったから、邪魔しないでお家に帰ってなさい」
「はいはーい」
No.1
世良田 イト(女、17歳)
真田 玲史郎 (男、17歳)
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「さあさあ、イトー」
「…なに?」
「今年の抱負は〜??」
わざとらしい笑顔でイトに近付く。
「特にない」
「あらら、今は猫タイム?」
「うるさーい。レーはなんなの」
眉を逆はの字にしながら玲史郎に言葉をぶつける。すると、玲史郎はニヤリと笑う。
「俺?よくぞ聞いてくれた。楽に楽しく生きる!」
「じゃあ私もそれ〜」
「ズルい。本当の目標は…将棋全国行き!だね」
玲史郎が自信満々の顔で言う。
「んー頑張って」
「で、本当の抱負はなんなのよ」
明けまして おめでとう