もしも、来世があるとして。
そこで君と巡り会えるとしたら、握った拳を思いきり叩きつけてやりたいよ。
俺より先に逝きやがって、今世で精一杯生きてやろうぜ相棒って、さ。
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テーマ「巡り会えたら」
いい日になる?
そうかい、君にとって今日はとても良い一日だったんだろうね。それは素晴らしいことだ。
だが、君の世界がいかに色鮮やかでいようとも、他者が同じなんてことはないんだ。それを知ると、君はより賢い人間になれるよ。
例えば、ここに薔薇の花が一輪あるとしよう。この色は――そうかい、君には赤に見えたんだね。僕には黄色に見えていたよ。
世界は人それぞれ、見えているもの、感じているもの、感覚の全てがみんな違うんだ。
だからこそ、もう一度、もう一度言ってごらんよ。
「きっと明日も、いい日になる?」
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テーマ「きっと明日も」
本当に時間が止まったらどうなるんだろう。
その瞬間、俺の意識は働いているのか、それとも時間と同様に止まってしまうのか。
もしかしたら、今この瞬間も時間が止まっていたかもしれないと思うとあなたはどう思う?
俺はなんとも思わない。
止まった時間の中に俺がいないのなら、それはそれで、どうでもいい。
でも、世界の時間が止まって俺だけが動いていたとしたら――それは嫌だな。だって、独りは寂しいから。
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テーマ「時間よ止まれ」
見知った景色が変わるような気がした。
形は全く変わらないというのに、夜になっただけで別世界みたいだ。
ギラギラ。ピカピカ。ザワザワ。
五感のすべてが疼く街に一歩を踏み出す。
内心、震える心があったが、これはきっと武者震いだ。きっと、きっとそうだ。
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テーマ「夜景」
一匹の蜂が蜜を求めて飛んでいる。蜜蜂は小さく、他の虫たちにさえ存在をせせら笑われるほど気も弱かった。
だが、彼は仕事に対してとても真摯に向き合っていた。
誰も褒めてくれなくても、小さいからと指をさされるような毎日でも、ひたすらに蜜を運んだ。
ある日、とてもいい香りに出会った。
これは絶対にいい蜜があるに違いない。彼は羽をぶん、と大きく鳴らした。飛んで、飛んで、ひたすらに香りのする方へ全力を出した。
やがてたどり着いた場所には自分の体よりも大きな、とても大きな生き物がいた。誰かが呼んでいたが、こいつらはきっと「人間」という生き物だろう。
こわい、けど、蜜を集めなきゃ。
蜜蜂は雑踏を縫うように飛び回る。人間たちは大きさもバラバラだし、それぞれに色も違う。頭の形も違う、蜂とは大違いだ。
そんな人間たちの周りいくらを飛んでも蜂は密を見つけることができなかった。いや、花は確かにあったが、求めていた香りじゃない。
――探し当てるまで巣には帰らないと決意をする蜂は気づくことができないかもしれない。
人間の纏う様々な香りは時に、花よりも馨しいことに。
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テーマ「花畑」