1年間を振り返る
「去年の俺何してたか覚えてねぇ」
「私は毎年ほぼ同じですので逆に覚えていませんわね」
「『ザ・師走』って感じの忙しさだったな」
「尾上君は中学3年生だったのでしょう、宿題とかクラスの友達とクリスマスとかあったのではないのですか」
「友達とかいねかったからわからん」
「……左様ですか」
「兄ちゃんとケーキ分けたり肉分けたりはしたな」
「あぁ、あの方…お元気ですかね」
「元気だろ、あの人10トントラックと正面衝突して無傷だし」
「人間ですか?」
「近所の人に鉄人って呼ばれてた」
「強すぎる……」
「とりあえず来年も引き続き護衛シクヨロでーす」
「多分夏頃には修行明けて独り立ちですわよ」
「……つまり?」
「大学受験、頑張ってくださいね」
「………………ウス」
当たり前だけど、別れが近づいている。
半年前の自分なら両手をあげて喜んだ。
妙な居心地の良さをしった今、少し寂しく感じるのは、
随分自分勝手だよなぁと思うのだった。
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漠然としていた未来がだんだん定まってくると焦るよねって話
みかん
「……お行儀が悪いですのよ」
「あ?」
「蜜柑の皮、ぼろぼろです」
「け。なんで間食の仕方までやいやい言われなきゃなんねぇんだ」
「丸呑みも危ないですのよ!一房ごとに分けた方が顎にいいです」
「俺の顎はあんたほど軟弱じゃねぇもんで」
「蜜柑の汁が口の端から飛び散るのが汚いんです!」
「知るか、飛び散るような距離にいるのが悪い」
「片付けもしてください自分が散らかしたんですから!」
ごじつかひつします
変わらないものはない
永遠なんて、どこにもない。
それは悲しいことだけど。
誰かにとっては、救いなのだと。
クリスマスの過ごし方
昨日のをかききってからかきます〜枠だけ失礼します
イブの夜
「クリスマス・イヴにケーキはいかがですか〜!まだ間に合いますよ〜!なんと2割引き!ホールのケーキが今なら2割引ですよ〜!」
「1人でも家族でも美味しいホールのケーキが2割引き!どうですか〜!」
クリスマス。良い子の枕元にプレゼント出現まであと……6時間くらいか?とりあえず暇をもらったものの誰をどう誘えばいいか全く検討がつかずだらだらしていたらクリスマスケーキ販売の売り子に貸し出された。
誰だよ俺がぼっちで暇してますってリークしたやつはよ。
「バイト初めてって言ってたけど緊張しないし声出るし力持ちだしやるねぇ君、新年も頼んでいい?商店街福引の店番バイトがあるんだけど」
「んんぁあ……考えときます」
「ウーン微妙なお返事!28日までに決めておいてね!忙しかったら断ってくれて大丈夫よ!」
「や、多分暇なんで……ア、でも寒かったら寝てたいんで…」
「豚汁もストーブもあるよ!まァ無理しちゃダメだね」
「ウス」
ケーキ売りのリーダー?はトナカイ帽子に着ぐるみそして赤鼻というザ・クリスマスのコスプレで俺はそこそこぬくぬくしたサンタ服。やさしさを感じる衣装選びである。ありがたい。
「もう時間なってきたね、お迎えくるよ」
「まじすか」
何時終わりとかあったんだこれ。朝8時に連れてこられてなんやかんやずっといた。昼はターキーと味噌汁とピザ、晩はチキンとラーメン食べた。商店街色々ある。次は駅前のパン屋制覇してぇな。
そういや今日お嬢の護衛なしで一日いたけど何も無かったな。
オバケにもクリスマスって概念あんの?この日フィーバーしてる怪談とか全然無いな。フィーバーしててもクラブとかにいそう。
ちなみに現在時刻は午後6時半。
朝はリーダーに連れてこられて夜は誰が迎えにきてくれんのかな。1人でも道はわかるけど道中で変なやつに引っかかりたく無いので素直に待つよ俺は。白い息を吐き出していたら何処からか鈴の音が響いてくる。シャンシャンシャン、シャンシャン、いやまてまじかよ。マジで鈴の音が聞こえる。そこまではいい。サンタコスの石蕗さんは割とハマり役だし。でもなんかそれでおわらねぇ感じする。だって馬の蹄の音がする。
「お待たせしました尾上くん、いい子にしていたのでこれから登山を開始しますよ」
「なんで!?ねぇなんで!?!?」
「無病息災悪霊退散、商売繁盛開運、いろんな神社を回ってご利益総取りと行きましょう、もちろん挨拶を忘れずに」
「なんで馬!?どこから連れてきたの!?」
「この子は如月号ですわ、今日やっとこちらに迎えることができて、嬉しいです」
加筆します