しるべにねがうは

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1年間を振り返る

「去年の俺何してたか覚えてねぇ」
「私は毎年ほぼ同じですので逆に覚えていませんわね」
「『ザ・師走』って感じの忙しさだったな」
「尾上君は中学3年生だったのでしょう、宿題とかクラスの友達とクリスマスとかあったのではないのですか」
「友達とかいねかったからわからん」
「……左様ですか」
「兄ちゃんとケーキ分けたり肉分けたりはしたな」
「あぁ、あの方…お元気ですかね」
「元気だろ、あの人10トントラックと正面衝突して無傷だし」
「人間ですか?」
「近所の人に鉄人って呼ばれてた」
「強すぎる……」
「とりあえず来年も引き続き護衛シクヨロでーす」
「多分夏頃には修行明けて独り立ちですわよ」
「……つまり?」
「大学受験、頑張ってくださいね」
「………………ウス」


当たり前だけど、別れが近づいている。
半年前の自分なら両手をあげて喜んだ。
妙な居心地の良さをしった今、少し寂しく感じるのは、
随分自分勝手だよなぁと思うのだった。

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漠然としていた未来がだんだん定まってくると焦るよねって話

12/31/2024, 12:57:00 AM