どこまでも続く青い空
真っ白の入道雲。
響き続ける蝉の声。じっとりと暑く、逃げ水を見る。
ぽたりと落ちた自分の汗をみて、水を取らなければと意識する。
途端に乾く喉が、茹だる気温が、意識を白く染め上げていく。
のを根性で耐える。
日陰に入らなければ。
時折虫の死骸が転がるアスファルト。
蟻の行列が細々と続き、かつて生き物だった物体を運んでいる。
じわじわじわじわ体力が削られる。
当たり前だ、こんな暑い夏の日、外で、いや待て。
なんで長袖なんか着てる?
この間衣替えがあったから?この真夏に?
学校に通っているわけでもないのに。いや通ってた。ずっと。
喪服じみた色彩の制服から解放されたじゃん。いつから?
単位制の、高卒資格をとるための学校に、あれ?
「お嬢?」
思い出した。
俺は学校の登校日の帰りだった。お嬢が一緒だから石蕗さんが車出すって言ってたんだけど、どうにも予定が合わなかったから電車に乗って帰る、その途中。だった。はず。
電車には乗った。電車乗るの初めてではしゃぐお嬢が3回改札に引っかかって涙目だったのは覚えてるから。気丈に振る舞ってたけどちょっと泣きそうだったなアレ。その後ホームでアイス食いながら電車待って、電車きたから乗った。そこまでは思い出した。
その先がわからん。
みんみん鳴く蝉がうるせぇ。
何かがおかしいと気付いたけどそれは何にもならなかったらしい。ただ暑さを倍に感じてる気がする。だって長袖だし。
脱ぐか?とりあえず日陰。暑い。全裸になりたい。
とりあえず俺って今どこにいんの?
電車乗った瞬間俺だけ誘拐された?それとも白昼夢みたいに意識だけもってかれてんの?それによって今ここで全裸になるかならないかが決まる。
ごじつかひつしむす
衣替え
秋も深まる10月後半。金木犀の香りが庭に満ちる今日この頃。
朝が死ぬほど寒い。だってこの家暖房ないもん。クーラーもない。
ちょっと前まで冷感ブランケットで寝てたってのに季節の移り変わりがすごい。季節っていつもそうだよな。俺たちに優しくしてくれたと思ったらすぐ冷たくなったり殺しにかかってきたりする。
何?俺たち人間に恨みとかある?環境破壊しくさってるから?
覚えがありすぎる。しぶとく生き残っててごめん。
これからも地球に寄生する身分ですがなんとかして返していく方法模索するから見逃してくれ。虫が良すぎるかごめん。
「衣替えっつーか模様替えっつーか、しないの?この家」
「むしろなぜ貴方夏仕様なんですか。毛布とかださないんですか」
「石蕗さん男子」
後日加筆します
こえがかれるまで、
あんなに叫んだ日は人生で初めてで。
あんなに泣いた日は人生最後だろう。
全員が全員死力を尽くした。
必死にならないやつなんてあの場にいなかった。
手を伸ばして、力を振り絞って、全員で掴み取った結果。
最悪だけは回避した。
最高の結果は取りこぼした。
最良とは口が裂けても言えやしない。
だけど最善を尽くした。
完全勝利とは程遠く。
勝利と言っていいのかわからないし惨敗じゃねぇかなって思うけど、ぎりぎりどうにか凌いだってかんじだけど。
俺たちにしちゃやったほうじゃないのって思う。
ながいながい戦いが終わった今。
アンタは変わらずそこにいて欲しかったんだけどなぁ、ってため息をついた。
たった1人いないだけで、随分寒く感じる。
まだ11月なんだけどな。
はじまりはいつも
枠だけ失礼します〜
秋晴れ。
最近続いていた雨もなんのその、行いが良かったものがおおいのか。雲ひとつない、文句のない晴天。
白咲大運動会、開幕である。
「ではまず準備運動から!ひーふーみーよー」
「いきなり動くと腰にきますからゆっくりゆっくり〜」
「りんごあめ〜りんごあめいかがですか〜」
後日かひつします