この道の先に
僕が恋焦がれている
あの人がいる。
もう恋焦がれるのはお終いだ。
今日こそ想いを伝えたい。
木製の家、周りは森。
小さな窓には花柄のカーテン。
そんな物一つ一つに、
心臓を握られるかのような感覚がする。
僕は息を吸った。
良くも悪くも今日が最後。
コンコンコン。
そう叩いた扉が
僕の好きな人によって動かされる。
まるで僕の心みたいに。
「あのっ_____」
「この道の先に」
柔らかな日差しさすこの丘で
私は今日も1人で眠る。
いつか、白馬に乗った王子様が
来てくれないかしら、
なんて想像して、草の上に寝転ぶ。
ねぇ、王子様。
ここに、貴方の事を想っている人が居ますよ。
なんて、届きはしない。
だけど声に出す。
届きはしないけれど、
届くかもしれない、そんな希望を絶やさぬように。
柔らかな日差しの下で
私は今日も1人で歌う。
いつか、一緒に歌ってくれる王子様が
きてくれないかしら、
なんて想像して、空をあおぐ。
ねぇ、王子様。
ここに、沢山歌を作って待っている人が居ますよ。
なんて、届きはしない。
だけど歌う。
届くかもしれない、そんな希望を絶やさぬように
柔らかな日差しを浴びながら
私は今日も1人で踊る。
いつか、王子様とワルツが
踊ることができたのなら、
なんて想像して、今日も踊る。
ねぇ、王子様。
ここに、貴方の為にダンスの練習をしている人が居ますよ。
なんて、届きはしない。
だけど踊る。
届くかもしれない、そんな希望を絶やさぬように。
「日差し」
窓越しに見えるのは
薄いのに
前が見えない黒い雲
そして地獄。
でも、私は外に出たい。
地獄を越えれば、きっと。
「ずっとここに居るといいよ。僕が守ってあげるから」
笑いながらこちらに来る男の人。
守ると言いながら、私を縛る。
地獄はどっちだ。
そう叫びたい。なのに私の喉は言うことを聞かない。
「窓越しに見えるのは」
たとえ結ばれていなくても
私の小指に赤い糸が巻かれていなくても
私があなたと私に赤い糸を結びに行きたい。
運命なんて必要ない。
だってこんなにも愛してるんだから。
だから、お願い。
私と、赤い糸でその小指を結ばせてください。
「赤い糸」
入道雲飛び越えて
青空に羽ばたいた。
青い空がどこまでも伸びている。
そんな空と、わたしは一体化しようとしている。
なんて素敵な事なんだろう。
風をきって
もっと上へ舞い上がって
私は空に溶けてゆく。
「入道雲」