朝なんて来ないで。
「ただ、必死に走る私。何かから逃げるみたいに。」
太陽の恵みの下で
ふんわり淡い水色のドレス、
ふんわり甘い緑色で、長い髪の毛の歌う森の妖精。
鳥も伴って美しく歌い、蝶がひらひらと舞い、
すーっと風が走り、ざわざわと葉が踊る。
鹿がうっとりとその歌に聴き惚れ、さらさらと川は伴奏をする。
木漏れ陽は森の皆を優しく見守る。
居場所を無くした青年はそんな光景を目の当たりにし、
ぽろりと涙が零れる。
美しい歌は青年の心をどんどんと澄ませてゆく。
目を閉じて聴き入る。
「あら、貴方はだぁれ?」
歌うのをやめて青年に声をかける森の妖精。
「そんな所で見てないで、こちらへおいで。一緒に踊りましょう。ここではみんな、仲間なんだから。」
森の妖精は青年の手を取り、くるりとまわった。
「ふふふ。
もうすぐ春が終わる。
あつい夏がやって来る。
そしていつか夏も終わり、実りの秋がやってくる。
秋も終わって一面真っ白になる冬がやってくる。
だけれど森は、ここにある。
貴方の居場所は、ここにある。
泣かないで、笑った顔を見せて。」
もう一度森の妖精は、ドレスと髪を風になびかせながら、くるりとまわった。
たまにはお題にそってじゃなくても良いよね。
今日の放課後、体育館裏で話したいことがあるんだ!
わかった。
やだぁもしかしてここ天国?
キミと付き合えるなんて!
じゃあ、今のカノジョちゃんとは別れてくれるの?
もちろん。これからよろしくね。
俺も、君と付き合えて、まるで天国にいるみたいだよ。
ここは、地獄?わざわざそんなところ、私に見せつけて、何がしたいの?
貴方達にとっては天国かもしれないけど
私にしちゃ、地獄で地獄でしょうがない...!
「天国と地獄」
別れよう。もう俺ら、やってけねぇよ。
そう。
去っていく彼の手を掴むことなんて出来なかった。
雨が降り出した。
なかなか止まない雨だ。
私の涙は、なかなか止まらない。
「いつまでも降り止まない、雨」
さようなら、私のカレ。
初めまして。私の旦那さん。
「昨日へのさよなら、明日への出会い」