太陽の恵みの下で
ふんわり淡い水色のドレス、
ふんわり甘い緑色で、長い髪の毛の歌う森の妖精。
鳥も伴って美しく歌い、蝶がひらひらと舞い、
すーっと風が走り、ざわざわと葉が踊る。
鹿がうっとりとその歌に聴き惚れ、さらさらと川は伴奏をする。
木漏れ陽は森の皆を優しく見守る。
居場所を無くした青年はそんな光景を目の当たりにし、
ぽろりと涙が零れる。
美しい歌は青年の心をどんどんと澄ませてゆく。
目を閉じて聴き入る。
「あら、貴方はだぁれ?」
歌うのをやめて青年に声をかける森の妖精。
「そんな所で見てないで、こちらへおいで。一緒に踊りましょう。ここではみんな、仲間なんだから。」
森の妖精は青年の手を取り、くるりとまわった。
「ふふふ。
もうすぐ春が終わる。
あつい夏がやって来る。
そしていつか夏も終わり、実りの秋がやってくる。
秋も終わって一面真っ白になる冬がやってくる。
だけれど森は、ここにある。
貴方の居場所は、ここにある。
泣かないで、笑った顔を見せて。」
もう一度森の妖精は、ドレスと髪を風になびかせながら、くるりとまわった。
たまにはお題にそってじゃなくても良いよね。
5/28/2022, 1:33:05 PM