くるくると回る羅針盤の針は、
どこもさしてはくれない。
さまよう羅針盤の針
頼りきりじゃだめだ
自分の道は、自分で決めなくちゃならない。
とうとう動かなくなった羅針盤を砂の上に置いた
砂漠を進む旅人は、星の導を頼る。
長い旅時に、羅針盤は置いていかれた。
そしてただ、羅針盤は朽ちてゆく。
小さなガラス細工…
その中には綺麗な星座モチーフの図柄が描かれている。
それを、月明かりに透かす。
キラリと光ったそれは、まさに星のまたたきのようで
私は、その輝きに見とれていた。
昔から、大好きだった天体観測。
今の都会に来てからは、街明かりが眩しすぎて星が見えないから。
だから、誕生日に小さな星座を買ったんだ。
最初から、完璧であろうとする方がどうかしてるんだ。
人は誰しも、不完全で…だから、他の人を頼るんだ。
…それを教え続けてくれる"誰か"が居た。
…"先生"、貴方は今、どこでなにをしていますか?
もう一度…叶うなら、貴方に会いたいです。
貴方のあの優しい声を、瞳を、言葉を忘れた事は
一度もなかった。
あの夏、貴方は突然、僕たちの学校から消えた。
『_…またね、みんな』
青空の下、やけに穏やかな貴方の顔だけが
まぶたの裏に焼き付いて、離れないままでいる。
降りしきる雨は、未だ止まず。
涙すらかき消して、悲しみすら揉み消してゆく。
…ああ、私は…誰だったのだろうか。
私は、大切な何かを亡くしたまま…それを忘れた。
まただ、また…同じ誤ちを繰り返してしまった。
結局、また『君』を救えなかった。
涙の雨は、降り止まず。
血の雨は、大地を紅く染める。
大切な貴方を喪って、10年以上が過ぎた。
結局、私は貴方にお別れの言葉すら言えなかった。
愛する貴方を失った悲しみの冬
愛する子供達を、貴方が残した宝物全てを
私はこの身を賭けて、守ると誓ったの。
叶うなら、もう一度…
愛する貴方に、会いたい…
愛しているの、貴方だけを
永遠に 愛してるの
愛しい人__