snowsiou

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11/17/2022, 3:47:02 AM

母親に末期がんが見つかった。
いろいろな治療法を調べたが、本人の希望はただひとつ、「痛みを遠ざけながら穏やかに終わりたい」というものだった。

しかし同時期、妹にも脳腫瘍が見つかる。彼女には生まれたばかりの子供がいた。
母親は、自身の治療法を改め、抗がん剤を選んだ。妹が無事手術を終えて、子供のもとに戻るのを見届けたいと願ったからだ。

妹はほどなく快復した。
母親は安堵したものの、その後、抗がん剤の副作用に苦しみながら逝去した。

脳に、他人の手が入ると、感情の発露が変わるという。
全快した妹は、ヒステリックになった。

「穏やかに」の望みは消えつつある。

※義実家の話であります。

【はなればなれ】

11/14/2022, 6:10:51 AM

ここしばらく派遣社員をやっています。
長くて3年、短期で半年、いろんな企業を転々として、いろんな仕事をちまちま片付けてきました。
契約満了で去るわたしに、送り出す人たちは「またどこかで会えるといいね」と言ってくれた。おそらく、会うことなんてないけどね。
でも、テレビなんかで、かつての通勤路の辺りを見たりすると、懐かしさと共に、ふと思います。

やっぱ会いたくねーな。
たいした仕事しない●●とか、ハラキャラの●●とか、(以下略)

【また会いましょう】

11/12/2022, 12:35:50 AM

閉じてはダメだ。
今は、飛ばなくていい。
でも、とにかく、開いておけ。
いいな?

黄色い口たちがかすかに頷くのを見て、両親はまた飛び立つ。
もう巣立ちは近い。この温まった家を出たら、強者だけの世界なのだ。

柔らかなその羽が、空を統べる日が来る。
さあ、開け。

「腹へったー」
「腹へったー」

※ツバメをイメージしてます。

【飛べない翼】

11/6/2022, 3:47:18 AM

鍋に鰹出汁を温めます。
ニンニクは2片を薄切りに。
キャベツはお好みの大きさでザク切り。
キノコ類は、エノキ、シメジなど、手に入りやすいものを用意。石付きを切り落とし、小房に分ける。エリンギやシイタケは薄切りに。舞茸は手で割きます。

「せ、先生、あれは…」
「今日はお魚ですね。すぐたらいを用意して。一番明るく照らされている辺りに置いてください」
「たらい…たらい…バケツじゃダメですか」
「バケツは却下です。では、あなたが受け止めて来てください」
「あ、あ、あの光の下に入れ、と…」
「ええ、急いで下さい」

さて、本日のメインは鱈です。下アゴにヒゲがありますね。
おっと、助手くんはメインにはなれませんよ。

【一筋の光】

11/3/2022, 2:33:57 PM

髪を切るときって、だいたいヘアカタログなんかを見て、こんな感じにしてください、ってオーダーするでしょ。
でも、仕上がってみると、それは望んだイメージとは違ってたりする。

服もそう。お店で見てるときや、試着のときって、場の雰囲気に乗っかって、似合い度が割増ししてる。家に帰るとその効果が消えてて、どこかガッカリ感がある。

一番近いからこそ、客観視がうまくいかない。
なりたい姿を追うのもいい。
同時に、そうじゃない姿も、毎日ほめて仲良くしたい。

【鏡の中自分】

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