7/4/2025, 12:34:19 PM
『青い風』※微ホラー
どこまでも広がる青い空!青い海!
目には見えないけど、
これをずーっとずーっと行ったら別の国があるんだよね!
世界って五感で感じ取れないくらい広くて大きいんだね、
すごいねー!
ほら、早くおいでよ!
膝まで海に浸かったら、きっと視界がぜーんぶ青いよ!
…えー!?なんて言ったの!?
風が強くてよく聞こえなーい!
せっかく来たんだから早く遊ぼうよ―!
…後ろ?
あ、
ぉ
7/2/2025, 11:18:08 AM
『クリスタル』
「そのネックレス、キラキラしててかわいいね。」
「着けてるのを見るの、私が小学生の頃以来かも。」
「…え?そんなに気に入ったならあげようかって?」
「そんな、いいよいいよ。」
「なんでって…。宝石ってすごく高いんでしょ?」
「え!?なんで笑うの!」
7/1/2025, 4:10:08 PM
『夏の匂い』
外に出ると、太陽が、地面が、吸い込んだ空気が、
クーラーで冷え切った私の体温を上げていく。
息を切らしながら、汗を拭いながら歩いていくけれど、
あつくてあつくて、だんだん嫌になってきたので、
街路樹の影で一休みする。
鞄の中の水筒には氷がいっぱいに入っていて、
もう、おかげで運ぶの大変だよ、と恨めしく思いながら、
冷たさが喉を通って胃に落ちるのを感じる。
それからゆっくり息を吐くと、ようやく麦茶の味がした。
6/30/2025, 2:38:04 PM
『カーテン』
白いカーテンが風に揺れると、きみを思い出す。
その隙間から覗く髪が日の光に照らされて、
青く澄んだ目が遠くを見ていて、
ああ、なんて、
―――どうした?
「…なんでもないよ。」