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『夏の匂い』


外に出ると、太陽が、地面が、吸い込んだ空気が、

クーラーで冷え切った私の体温を上げていく。


息を切らしながら、汗を拭いながら歩いていくけれど、

あつくてあつくて、だんだん嫌になってきたので、

街路樹の影で一休みする。


鞄の中の水筒には氷がいっぱいに入っていて、

もう、おかげで運ぶの大変だよ、と恨めしく思いながら、

冷たさが喉を通って胃に落ちるのを感じる。


それからゆっくり息を吐くと、ようやく麦茶の味がした。

7/1/2025, 4:10:08 PM