たとえ間違いだったとしても
僕は自己肯定感が低い。
それは友人たちの間では周知の事実だし、僕もそれを否定することは無い。
高めるために自信をつけようと努力もしたこともあったが「努力しないと普通にもなれない」と思ってしまってさらに低くなってしまったので、もう諦めた。
自分はこれでいいのだと、自信が持てない自分でも、誰にも責められたことは無い。諦める事が人生において間違いだったとしても、僕はこれでいいのだ。
これが僕だ。
雫
あか。あお。しろ。きいろ。
て。め。はだ。くち。
ぼくのジョッキはいっぱいだ。
みどり。あなた。
すぐにあふれちゃった。
何もいらない
私は何者であるか。
この問いに答えられる者はいない。
──誰も私を見てくれない。
要件を伝えてもすぐに忘れられてしまう。
そもそもそこにたどり着くことすら難しい。
多くの人が、私が呼んでも気づかない。
それでも、何かを押し付けるときには真っ先に思い出すようだ。
私は便利屋ではない。そんな仕事は嫌いだ。
友人なのに何故気づかない?その言葉は便利屋の別称か?
「彼ら」にとって、私とは───
誰もこの問いに答えてはくれない。
面倒くさがってどこかに行ってしまう。
今まで友人として、便利屋として共にいたではないか。
なぜ今更離れていくんだ……
私はなんなんだ?なんのためにここにいるんだ?
答えてくれ。意味がわからないんだ。
友人だろ!?なぜ忘れる!?なぜ便利に扱える!?
なぁ!!おい!読んでいるだろう!?答えろ!!答えるんだ!
……頼むから答えてくれ。それ以外何もいらない。
私にはそれほど重要なのだ…。「彼ら」とどう関わればいいのか。
分からくなっている。損得で相手を見るようになってきてしまった。
助けてくれ。
星が溢れる
初めての街。初めての景色。初めての空気。初めての学校。
地元を離れて大学に通うことになった。
オシャレなカフェ。広いデパート。高いビル。様々な服装。
都会の表と裏。満員の電車。大きな交差点。
田舎育ちの私には、初めてに囲まれた生活だ。
星も見えない。
……地元で見た星空をいくら探しても、見つからない。
高いところから見下ろせばいくらでも見れるのに、見上げた途端になくなってしまうのだ。
それはそれは綺麗な空だった。黒い背景にびっしりと並ぶ白い斑点は、一時期流行ったスマホカメラのフィルターを思い出させる。
目の煌めきが止まらない生活もつまらなくはなかった。星のような夜景を眺めるのも、様々なものがあるのも、退屈はさせなかった。
─それでも私は、暗闇に溢れる星をもう一度みたい。様々な星を…
私の目から溢れたのは星なのだろうか。
過ぎ去った日々
あいつと喧嘩した。意見が真正面からぶつかった。
エアバッグは機能していなかったが、清々しく思えた。
あの人と一緒に歩いた。赤いコーンと警告色の棒を蹴り飛ばして歩み寄ってくるあの人は、「Keep out」を包帯代わりに使っていた。
車と自転車の違いと、道徳を知らない3人は、車道を2車線使って蛇行運転をして笑っていた。
そんな道を─もうただのアスファルトで出来ているだけだ─これからは懐かしく思うことしか出来ない。