紅茶の香り
「五感で楽しむと毎日楽しいよ」
あなたはそう言って、
紅茶を仰ぐように鼻に注いでいた。
紅茶だけではない。
催眠をかける太陽と、それに抗い見る花、そして団子。
空気は重く、光が全身を突き刺す、全てが眩しい蝉時雨。纏わりつく空気にはサイダーが似合う。
美しくも悲しい夕日、そばを流れる川の匂いと音。白み出した口周りに運ぶたい焼き。
澄んだ空気と水彩画の空、山葵のような空気と麻痺した耳。ホットコーヒーの苦さは、爽やかな朝を引き立てる。
取り留めのない毎日を宝物のように扱い、遊園地に来た子供に負けず楽しむ。それがあなた。
あなただった。
今では五感ははじけ飛んでしまって、六感の方が鋭いだろう。
しかし誰もがそれに見惚れ、錆びた匂いを感じる。。色の無い空、集中線が似合う広い視界。あなたの最後の音が纏わりついて離れない。
五感を捨てたあなたは、周りを鋭くさせた。
愛言葉
学校帰り
部活でひたすら疲れていても
「愛言葉」はわすれない
会社帰り
プレゼンで失敗をしても
「愛言葉」を大切に
家事をする
名前があるものから無いものまで
次の家事は「愛言葉」
今日も色んな世界の人々が
口を揃えて言うだろう
『ただいま』『おかえり』
どこまでも続く青い空
いくら空そのものが青くても
雲がかかれば灰色で
日が傾けば赤色で
夜は濃く、朝は薄く
夏は輝き、冬は澄む
偶に考える
空は本当に青いものなのだろうか
高く高く
バカと煙は高い所へ
下から見ているよりは幸福だと知っているから
踊りませんか?
嬉しいことがあったのですか?
盛り上がることがあったのですか?
できることが増えたのですか?
やりたいことができたのですか?
嫌なことがあったのですか?
悲しいことがあったのですか?
息苦しさを感じたのですか?
寂しさに押しつぶされそうですか?
その全てを体の中から踊らせてみませんか?
気持ちの良い動きで踊りませんか?