香水
あなたの付けたその匂い
決してあなたの匂いじゃない
あなたを捨てた何かを、私は愛せない
言葉はいらない、ただ・・・
好きな物を好きでいたことを
馬鹿にして
謝られたってどうでもいい
同じ目にあって、
「好き」を出せなくなってしまえ
突然の君の訪問。
もうたえられない。
つらくてくるしい。あいたい。あいたいよ…
ガチャ
「え、なんで…」
「LINE見てなんか辛そうだなって思ってきたけど」
「……ありがと。」
「とりあえず材料買ってきたから夜食作るわ。待ってて。」
「うん。」
泣きそうになった。
彼が辛い時は私が絶対に助ける。
そう心に決めた。
雨に佇む
「雨が好き」と言っていた。
汚いところを洗い流してくれる気がするらしい。
空は平等だ。
有象無象を気にしない。
だけど今だけは───
坂道を公園に向かって駆け上がる。
この公園は夜景が綺麗で、夜によく来ていた。
しかもここは、夕焼けも綺麗なのだ。
多分、近所でいちばん綺麗な場所だ。
橙が空を青黒く染める。
思いっきり息を吸い込む。もっと。もっと。
「約束したじゃんかーー!!!絶対守るって!忘れもしないって!
言質もとらせたくせに!ふざけんなぁぁ!!」
語彙が足りない。裏切ったやつに言う言葉が足りない。
「言ってたじゃん!アイス食べに行こうって!写真いっぱいとって、
アルバムを作ろうって!言ったじゃん!なんで!なんでぇ…」
なんでいなくなったの?突然いなくなるなんて、悲しいよ。
雨が好きだと言っていた彼は、私の涙を雨で拭き始めた。
周りから見えないように、誤魔化すように。
サラサラした細雨だった。爽やかで、優しくて。
ゲリラのような別れも、うねった私の頭も、流すように。
これが彼の答えなのだ。優しい彼の気持ちなのだ。
またひとつ彼のことを知れた気がした。
あの雨が、私のために降っているように感じたのは、気の所為ではないだろう。
私の頭も、時間も、悲しさも全て洗い流してくれた。
私も雨が好きだ。背中を押してくれる気がするから。
私の日記帳
1日ひとつは良かったことを書く。
そう決めて書き始めた日記帳。
だが、私の意思は弱いもので。
いつしか出来ていたのは、遺書だった。