君の奏でる音楽
海と接した崖際
君はギターを弾きながら歌う
くだらない愛を囁くように歌う
届かない想いを嘆くように歌う
君の想いがどうか届きますように
そう願わざる負えなかった
私の想いの上に座りながら
「麦わら帽子」
今年もこの季節がやってきた。
荷物を持って、家を出る。
この時期を待っていた。
幼なじみに会えるからだ。
「ただいまー帰ってきたよー」
「あっ、おかえりー」
「じゃん!これみてよー」
「わぁーー!ひまわりだ!よく私の好きな花覚えてたね!!」
「そしてこれもー!」
「え゙ーー!麦わら帽子にひまわりの飾りついてるーーっ!!!すっっっっっごい可愛いーーー!」
「喜ぶと思ってさー。2つともあげるよー」
「えっ!いいの!!太っ腹じゃーん!」
「実は初給料貰ってさ、ちょうどいいから記念含めて買ったんだー」
「うーわやるなぁー」
「ちゃんと社会人してるだろーー?だから心配すんなよ?こっちもこっちで頑張ってるからよ。」
「心配してること前提かよー!まぁでも、うまく行ってるみたいで安心したよー」
「昔俺すっごいビビりだったから心配してもしょうがないけどなぁー」
「ほんとほんとー!蜘蛛いるだけでビビりまくってて情けなかったよー?」
「お前にいっつも助けられてばかりでさぁー。あんがとな。」
「何よ改まっちゃってー」
そうやって他愛もない事を言う。
「じゃ、そろそろいくわ。」
「えーもう?まぁ暗くなってきたしねー。」
「またな」
「うん、また来てよ。待ってるから。」
そうして俺はその場を後にした。ちゃんと瓶にひまわりを指して水も入れてきた。盆休みに来ると何となく会える感じがしていいんだよなぁ。
そうしてようやく実家に帰る。
「ただいまー。」
終点
何から始まり、何に終わるのか。終わった先に何があるのか。
大爆発が起き、宇宙ができた。
宇宙の果てとは?きっとただの壁だ。その先には、違う宇宙。
銀河の果てとは?きっと流星群だ。その行先は、違う銀河。
太陽系の果てとは?きっと太陽による吸収だ。その先には、爆発だ。
では、私たちの果てとは?
孤独?その先は、虚無?
忘れられること?その先は、自分でも思い出せなくなること?
死体?その先は、炭素?
「私たち」の果てを知るためには?
別に宇宙も銀河も太陽系も理解してないけど、果ての想像はできる。
理解度は重要では無い。
誰か答えてくれないか、「私たち」の果てを。学問の根底を。
上手くいかなくたっていい
僕は一度、生徒会をやってみたいと思っていた。
だけど選挙なんて…人前で話すのは苦手なんだよなぁ。
「上手くいかなくたっていい。挑戦することが大事なんだよ。」
「失敗して傷ついたらどうすればいいのさ。」
そう返すと彼は黙ってしまった。
しばらく考え、また彼は口を開いた。
「しらね。」
「…は?」
何を言ってるんだこいつは? 意味がわからない。
「その時考えようぜ。傷つくかどうかなんて気にしてたら挑めねぇし。始めてもねぇのに終わりの先考えるだけ無駄じゃね?」
…ほんと何言ってんだか。
「……じゃぁ応援演説者って役割あるんだけどやってくんね?」
「何やるか分からんがまかせろ。」
そうして僕らは帰路に着いた。
テーマ「喋よ花よ」
喋よ。世界を知り我々を導く者よ。
どうか私を案内してくれないか。
私たちはどこへ向かうべきか。
何を信じ、何を探せばよいのか。
花よ。世界の記憶を司る者よ。
どうか私に見せてはくれないか。
私たちが産まれるまでのその記憶を。
世界の奇跡。真実の愛を。
彼らの生きる世界は言った。
正解などないのだと。
だから蝶は逃げるのだと。
だから花は絶えないのだと。