上手くいかなくたっていい
僕は一度、生徒会をやってみたいと思っていた。
だけど選挙なんて…人前で話すのは苦手なんだよなぁ。
「上手くいかなくたっていい。挑戦することが大事なんだよ。」
「失敗して傷ついたらどうすればいいのさ。」
そう返すと彼は黙ってしまった。
しばらく考え、また彼は口を開いた。
「しらね。」
「…は?」
何を言ってるんだこいつは? 意味がわからない。
「その時考えようぜ。傷つくかどうかなんて気にしてたら挑めねぇし。始めてもねぇのに終わりの先考えるだけ無駄じゃね?」
…ほんと何言ってんだか。
「……じゃぁ応援演説者って役割あるんだけどやってくんね?」
「何やるか分からんがまかせろ。」
そうして僕らは帰路に着いた。
テーマ「喋よ花よ」
喋よ。世界を知り我々を導く者よ。
どうか私を案内してくれないか。
私たちはどこへ向かうべきか。
何を信じ、何を探せばよいのか。
花よ。世界の記憶を司る者よ。
どうか私に見せてはくれないか。
私たちが産まれるまでのその記憶を。
世界の奇跡。真実の愛を。
彼らの生きる世界は言った。
正解などないのだと。
だから蝶は逃げるのだと。
だから花は絶えないのだと。
テーマ 「最初から決まってた」 / 題名 「最期くらい俺が決める」
車に跳ねられた。
一週間意識がなかった。
悪運なんてレベルじゃない。
受験は終わってた。一浪してまで受けようとしたのに。
なにがあっても、これが最後だったのに。
「生きてただけ良かった!嬉しいよ!また話せて!!」
泣きそうになりながら親友は言う。
「そうだね。」
話の波長を合わせる。
運が悪すぎた。
きっと神のせいだ。
俺の人生をめちゃくちゃにした神を、生きてたってだけで許すほど、俺は優しかっただろうか。
いや、そんなことは無い。
俺の努力を踏み躙ったんだ。才能が人より無い俺の努力を。
失望した。
願掛けなんてするんじゃなかった。
あの時の俺はどうかしていた。
クソ野郎に願いを乞う程、落ちぶれていたようだ。
なぁ?神よ。
……はぁ。
もう、疲れた。
できることはやったさ。
限界まで追い込んだ。
それでもだめだった。
きっともう、最初から決まってたのさ。
運って、そういうもんだろ?
だからもう、何もかもどうでもいい。
次にかけるさ。
じゃぁな、クソ野郎。
二度と顔見せんな。
テーマ 「太陽」 / 題名 「君は太陽」
友たちは僕を太陽と呼んだ。
ふざけるな。何も知らないくせに。
常に一緒にいる訳でもないだろう?
僕は月さ。
感情豊かな君たち地球に、同じ顔しか見せ続けない。
産まれて鳴る、病院の鐘。
私の鐘もなり始める。
貴方の鐘もその時鳴り始めたのだろう。
これからきっと、何十億回となり続ける。
その瞬間によって、はやさ、高さ、大きさ、全てが変わるのだろう。
次の瞬間が、楽しみだ。明日が、楽しみだ。
テーマ「鐘の音 」 / 題名「貴方と私の鐘の音」