テーマ 「最初から決まってた」 / 題名 「最期くらい俺が決める」
車に跳ねられた。
一週間意識がなかった。
悪運なんてレベルじゃない。
受験は終わってた。一浪してまで受けようとしたのに。
なにがあっても、これが最後だったのに。
「生きてただけ良かった!嬉しいよ!また話せて!!」
泣きそうになりながら親友は言う。
「そうだね。」
話の波長を合わせる。
運が悪すぎた。
きっと神のせいだ。
俺の人生をめちゃくちゃにした神を、生きてたってだけで許すほど、俺は優しかっただろうか。
いや、そんなことは無い。
俺の努力を踏み躙ったんだ。才能が人より無い俺の努力を。
失望した。
願掛けなんてするんじゃなかった。
あの時の俺はどうかしていた。
クソ野郎に願いを乞う程、落ちぶれていたようだ。
なぁ?神よ。
……はぁ。
もう、疲れた。
できることはやったさ。
限界まで追い込んだ。
それでもだめだった。
きっともう、最初から決まってたのさ。
運って、そういうもんだろ?
だからもう、何もかもどうでもいい。
次にかけるさ。
じゃぁな、クソ野郎。
二度と顔見せんな。
8/7/2023, 10:27:15 AM