宵杜

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10/28/2023, 1:52:57 PM

暗がりの中で

夜、ふと目が覚める。
月のない夜だった。
暗がりの中、手探りで、卓上のランプを付ける。
時計を確認すると、まだ夜中だった。
もう一度寝ようと目を閉じてみるけれど、頭が冴えて寝れそうにない。
温かい飲み物でも飲もうと、お湯を沸かしてココアをいれる。
毛布を肩まで掛けて、両手でマグカップを包み込む。
数口飲んで体が暖まってくると、なんだか寝れそうな気がした。
ココアを飲み干したカップを置いて、明かりを消し、毛布に潜り込む。
目を閉じると、少し眠気がやってきた。
意識して呼吸を深くする。
そういえば部屋の電気を付けなかったけど、わりと何とかなるもんだなと思いながら、眠りに落ちていく。

10/27/2023, 10:42:19 AM

紅茶の香り

あたたかな湯気とともにふわりと、鼻をくすぐる香り。
自然とこぼれるため息。
無意識にしていた緊張がほどけていく。
この時間だけは、気がかりな事も忘れてこの香りに集中したい。

10/24/2023, 10:25:03 PM

行かないで

「…っ。」
行かないで、そう、喉から出かけた言葉を飲み込む。
泣いてすがっても、きっと君は行ってしまうのだろう。
どこで間違ったのだろう。
「またね。」
また会える保証なんてないのに、そんな言葉しか出てこない。
こんな形で別れが来るなんて少しも想像してなかった。
少し考えれば分かることだったのに。
「元気で。」
あぁ、行ってしまう。
行かないで。
言えない言葉の代わりに、あなたの健康と幸せを願う。

10/23/2023, 10:42:48 AM

どこまでも続く青い空

どうして。
私を置いて、あなたは独りで行ってしまった。
寂しい。
淋しい。
心が寒さで荒れ狂って、どうにかなってしまいそう。
あなたがいなくなる時に私の世界も終わるのだと思っていたのに。
私の心臓はいつもと変わらず力強く脈打っている。

果てしない孤独を抱えて見上げた空は、それでも、どこまでも青く美しく、遥か彼方に続いている。

10/17/2023, 11:20:06 AM

忘れたくても忘れられない

あなたと関わりがあったのは、10年以上前のたった1年程でした。
あなたにとって私は、ただの大勢の内の1人だったことでしょう。
もしくは、対応が面倒な相手の1人だったかもしれません。
あの頃の私は、また来年も当たり前に会えると思っていました。
それがいかに愚かな考えだったかは、今になって良く分かります。
秘めた想いは秘めたまま、謝罪と、最大限の感謝だけでも伝えていたら良かった。
きっと、もう会うこともないでしょうし、もし会えたとしても、あなたは私を憶えてはいないでしょう。
それでも、遠出をする度にもし会えたらと思わずにはいられないのです。

ありがとう。
あなたのお陰で、私は少し変われました。

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