「芽吹きの時」
才能は突然芽吹いてくる。
昔にどこかにまいた種はいくら水を与えても、栄養を与えても生えてこない。
が、こういうのは突然芽が吹き出すのだ。この芽はいつまいた種なんだろう……ちゃんと水をやらないとな……
なんて思いながら今日もその芽と向き合っている。
____才能の種よ、今、芽吹きの時が来ましたよ。
「あの日の温もり」
私が疲れて泣いてしまった時、貴方は優しく抱きしめて落ち着かせてくれた。
体育の授業中でも試合から抜けて慰めてくれた。今思うと本当に申し訳ない。
確か、「私も同じ事あるからさ……」と言っていた気がする。
あの日の温もりを私は忘れたくない。
「記録」
元々日記を書きたいとか言って二日で忘れてしまい、そのままになってしまうのはよくあった。が、このアプリだけは最初から今も続いている。
今書いている事も記録としてこのアプリにも、スマホにも残されているのだ。
今なら日記も毎日出来るかも……しれない。
「さぁ冒険だ」
重いランドセルを背負っていた頃、友達も先に帰ってしまって一人で帰路を歩く時間が好きだった気がする。
太陽が地面を照らし、汗をかきながら歩くのはちょっとした冒険だった。
これが夏休みに入って、夏期講習帰りの私はいつもは通らない道を通ったり、家に帰るどころか別の方向に進んで新たな発見を探したり……
ランドセルを卒業してバッグになった今でもあの頃の冒険少年の心を呼び覚まして冒険がしたい。
「一輪の花」
最初は沢山の花が入っていたのに枯れてきて、毎回一つずつ退場して行く。
色んな花が花瓶から退場して……後は二つだけ。
次の日確認してみると赤い花が勝っていた。おめでとう……そしてさようなら。また新しく取ってくるからね。
数々の花が枯れる瞬間を見てきた花こそが一輪の花になる事を許される話……を思い付いたのだった。