誰もがみんな通る青春という過程だが、私は青春が分からないし大嫌いだ。
みんな学生の身である私に起きた嫌なこととか悩みを青春で片付けようとするから。こんな変な学生な私なんかの話なんて聞きたくないからだと分かっているけど。
私が人の期待に応えられなくてその日から期待してきた張本人に無視され続けたことも志望校の偏差値で自分の価値が下に見られても、全部大人は私に『青春なんだから仕方ないよね』と話してくる。
それを思い出して、これが青春なら捨てて消えてしまいたいと感じてしまった春の日。
まだ時が経っても青春は嫌いなままだなんて悲しいよね、惨めだよね。
蝉時雨がうるさい7月25日の事、私は花束を人にあげることにした。
人にあげるならその人の好きな花を花束にするべきなのだけど、私にはそれが分からなかった。
もうその人は私の目の前には現れないし、私に話しかけてくれることも無いんだから、好きなお花なんて聞けないよ。
でも私はその人を愛しているし、愛しているその人は、今日が誕生日なの。
だから今日は私が選びたい花を花束にしてもらったの。
その花はナデシコ、勿忘草、向日葵。
意味は「純愛」「真実の愛」「あなたを見つめる」
お花と花言葉が大好きだったあなたならわかってくれるわよね?
今日は大好きなお姉さんのお芝居を見に行く日、それは私にとって月に1回だけの幸せな日なの。
お姉さんは舞台役者でね、お芝居の時は別人かと思っちゃうけど終わったらいつもの優しいお姉さんに戻るんだ。
それでね私を見たらすぐに来てくれて『いつも来てくれてありがとう』って笑顔で優しく言ってくれるの。
私ね、そんなお姉さんが大好きでいつもお芝居を観に行くことを楽しみにしているの。
大好きなお姉さんに会うのとお芝居を見るのを今日も楽しみにしてるの!
お姉さんのこと、本当にだーいすきだよ!だから劇場で待っていてね!
「あ〜彼女がいたら祭りに行くのも楽しくなるんだろうなあ…。まあずっと出来ないだろうけど」
夏に包まれた部屋の中で、俺はずっと彼女が出来ないことを嘆いていた。彼女が出来たらなんだって楽しくなるのに、俺には出来ない。
すると神々しい光の中から神様が出てきて、俺にこう言ったんだ。
『お前に彼女が出来ないのはな勇気と行動がねえからだよ、嘆くな!馬鹿!アホ!!』って。
なあ俺ってもしかして神様に嫌われた?
夏休みが始まったけどやる事なんてなくて暇だった。
会いたい人や会える人は今年もいない。
数年前までは花火が見えたけど、今はもう見える気配もしない。
花火なんか見える気配がしなくても私は夏になればいつも窓から外を覗くの。
そんな私が窓越しに見えたのは、青すぎる空と大好きな人の顔。